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脂肪肝とは?原因・診断・治療法まで徹底解説!💡✨

こんにちは☺️
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥✨

本日は日々の診療でも多く見かける「脂肪肝」について、わかりやすく・詳しく解説します💡

「健康診断で脂肪肝と言われたけど大丈夫?」
「ダイエットすれば治るの?」
「お酒を飲まなくても脂肪肝になるのはなぜ?」

こんな疑問をお持ちの方、多いのではないでしょうか。
脂肪肝は軽視されがちですが、放置すると肝硬変や肝がんに至ることもある重要な疾患です⚠️
特に内視鏡検査で肝疾患が見つかるケースも多く、私たち消化器内科医にとっても見逃せない病気のひとつです。

🔷脂肪肝ってなに?
脂肪肝とは、肝臓に脂肪(特に中性脂肪)が過剰に蓄積された状態を指します☝🏻
具体的には、肝臓の細胞のうち30%以上に脂肪が沈着している場合に「脂肪肝」と診断されます。
健常な肝臓にも一定の脂肪は存在しますが、生活習慣の乱れや基礎疾患の影響により脂肪の蓄積が過剰になると、肝機能障害や炎症を引き起こす原因となります💥

🔷脂肪肝の種類
脂肪肝には大きく分けて以下の2つのタイプがあります。

① アルコール性脂肪肝(AFLD)
日常的に多量の飲酒をする人に見られるタイプで、アルコール代謝の過程で脂肪が肝臓にたまることで発症します🍺男性で1日30g以上、女性で20g以上のアルコールを継続的に摂取している場合にリスクが高まります。

② 非アルコール性脂肪肝(NAFLD)
アルコールをあまり飲まない、もしくは飲まない人に起こる脂肪肝で、現代人に最も多いタイプです☝🏻肥満、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高血圧といった「メタボリックシンドローム」と深い関係があります。

さらに非アルコール性脂肪肝(NAFLD)は、2つに分類されます。
・単純性脂肪肝(NAFL)
→ 脂肪の蓄積はあるが、肝炎や線維化はない比較的良性の状態です。

・非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
→ 脂肪に加えて炎症や肝細胞の壊死、線維化が進行しており、肝硬変・肝がんに進展する可能性がある重症型です。

🔷脂肪肝の原因
脂肪肝の発症には、さまざまな要因が関与します。

🔎主な原因
・肥満(特に内臓脂肪型)
・過食・高カロリーな食事
・運動不足
・糖尿病・インスリン抵抗性
・高脂血症(中性脂肪・LDLの増加)
・アルコールの過剰摂取
・薬剤性(ステロイド、抗がん剤など)
・急激な体重減少や栄養失調(低栄養型脂肪肝)

✅️脂肪肝になりやすい人の特徴
・お腹まわりが気になる(内臓脂肪型肥満)
・甘いジュースや缶コーヒーをよく飲む
・晩酌が日課になっている
・デスクワーク中心で運動不足
・家族に糖尿病や脂質異常症が多い
👉 特に最近では、やせ型でも内臓脂肪が多く、生活習慣が乱れている人に脂肪肝が見られるケースも増えています。BMIだけで安心してはいけません。

🔷症状はあるの?自覚症状について🤔
脂肪肝の初期にはほとんど自覚症状がありません。そのため、多くの方が健康診断で肝機能異常やエコー所見を指摘されて初めて気づきます🩺

症状が出る場合でも、
・右上腹部の違和感
・倦怠感
・食欲不振
といった、非常に漠然としたものです。

⚠️しかし、脂肪肝がNASHへ進行し、肝線維化→肝硬変→肝がんへと進行すると、黄疸・腹水・意識障害などの深刻な症状が出現します。

🔷脂肪肝の診断方法🩺
■ 健康診断での指摘
以下のような項目で脂肪肝の疑いが出てきます。
💉血液検査
AST、ALTなど肝機能値の上昇。ただし正常でも脂肪肝のことがあります。

🔍️腹部エコー
肝臓が白っぽく映ることで脂肪の有無を推測。健診で最もよく使われます。

■ より詳細な検査
🖥️CT・MRI検査
より精密に脂肪の量を画像で評価できます。

🔬肝生検
重症度を調べるためにごく一部の方に実施されます。

🔷治療法と予防☝🏻
脂肪肝の治療において最も重要なのは、「生活習慣の改善」です。
①食事療法について🍙
・甘い飲み物は避ける
→ ジュースや缶コーヒー、スポーツドリンクは“液体の糖分”で肝臓に直行します。水やお茶に切り替えるだけでも効果的です🍵
・炭水化物は“質と量”を意識
→ 白米・パン・麺類のとりすぎを控え、雑穀米や野菜で食物繊維を増やしましょう🍠
・たんぱく質をしっかり
→ 魚、大豆、鶏肉などは肝臓の再生にも必要です🥩
・油は“いい油”を選ぶ
→ 青魚のDHA・EPAやオリーブオイルはおすすめです🐟️揚げ物やバターは控えめにしましょう。

~~~ ✏️献立の参考に ~~~
・朝  納豆ご飯 + 味噌汁 + 焼き魚
・昼  鶏胸肉のサラダ + 雑穀パン
・夜  豆腐入り鍋 + 野菜多め
・間食 ヨーグルトやナッツ

~~~ 🍽おすすめレシピ5選 ~~~
❶鶏むね肉と野菜の蒸し煮🥦🥕
【材料(1人分)】
・鶏むね肉:100g
・ブロッコリー:50g
・にんじん:30g
・玉ねぎ:1/4個
・オリーブオイル:小さじ1
・塩・胡椒:少々

【作り方】
1. 鶏むね肉を一口大に切る。
2. 野菜を食べやすい大きさに切る。
3. 鍋に材料を入れ、少量の水(50ml程度)で蒸し煮する。
4. 火が通ったらオリーブオイルと塩・胡椒で味を整える。

✅ポイント:高タンパク・低脂肪で肝臓に負担をかけにくいです。

❷鮭のホイル焼き🐟️🍄
【材料(1人分)】
・鮭切り身:1切れ
・きのこ類(しめじ・えのき):50g
・もやし:50g
・レモン:1/4個
・塩・胡椒:少々

作り方】
1. アルミホイルに鮭と野菜をのせる。
2. 塩・胡椒で味付けし、レモンをのせる。
3. オーブンまたはフライパンで蒸し焼きにする(約15分)。

✅ポイント:魚の良質な脂質(オメガ3)が肝臓脂肪の減少を助けます。

❸豆腐とひじきのサラダ🥗
【材料(1人分)】
・絹ごし豆腐:100g
・乾燥ひじき:5g
・きゅうり:1/2本
・しょうゆ:小さじ1
・ごま油:小さじ1/2

【作り方】
1. ひじきを水で戻す。
2. 豆腐は水切りして一口大に切る。
3. きゅうりを薄切りにして、豆腐・ひじきと混ぜる。
4. しょうゆとごま油で味付けする。

✅ポイント:食物繊維が豊富で脂肪吸収を抑える効果があります。

❹オートミール野菜スープ🍲
【材料(1人分)】
・オートミール:30g
・キャベツ:50g
・にんじん:30g
・玉ねぎ:1/4個
・コンソメ(無塩に近いもの):小さじ1

【作り方】
1. 野菜を細かく切る。
2. 鍋に水200mlと野菜、コンソメを入れ、煮込む。
3. 野菜が柔らかくなったらオートミールを加え、さらに数分煮る。

✅ポイント:低カロリー・低脂肪で満腹感を得やすいです。

❺納豆とアボカドの和え物🥑
【材料(1人分)】
・納豆:1パック
・アボカド:1/2個
・しょうゆ:小さじ1
・ねぎ:少々

【作り方】
1. アボカドを小さく切る。
2. 納豆と混ぜ、しょうゆで味を調える。
3. 仕上げにねぎを散らす。

✅ポイント:良質な脂質と発酵食品で肝機能サポートします。

~~~ 🥗 脂肪肝改善向け1日の献立例 ~~~
朝ごはん
・納豆ご飯(納豆とアボカドの和え物を添えて)
・味噌汁(わかめ・豆腐入り)
・焼き魚(鮭のホイル焼きから1切れ)
・水またはお茶
✅ポイント:発酵食品+良質な脂質+魚で肝臓に優しい朝食

間食(午前中)
・無糖ヨーグルト+ナッツ少量
✅ポイント:糖質を控えつつ満腹感をキープ

昼ごはん
・鶏むね肉と野菜の蒸し煮
・雑穀パンまたは玄米ご飯
・ほうれん草やトマトのサラダ(オリーブオイル+レモン)
・水またはお茶
✅ポイント:低脂肪高たんぱく、野菜で食物繊維も補給

間食(午後)
・きゅうりスティック+無糖の豆乳
✅ポイント:空腹時の血糖上昇を緩やかに

夜ごはん
・豆腐入り鍋(白菜・きのこ・豆腐・鶏肉少量)
・小鉢でひじきのサラダ
・水またはお茶
✅ポイント:野菜とたんぱく質多め、夜は消化に良い温かい料理

運動療法について🏃
脂肪肝改善におすすめのメニュー3つご紹介します!
1. ウォーキング(有酸素運動)🚶‍♂️
・時間:1日30分〜60分
・強度:会話ができる程度の軽めのペース
✅ポイント:毎日続けることが脂肪肝改善に最も効果的

2. 筋トレ(下半身中心)💪
・スクワット:10〜15回 × 2セット
・ブリッジ:10回 × 2セット
✅ポイント:筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がり、肝臓脂肪を減らしやすくなる

3. ストレッチ&体幹トレーニング
🧘‍♀️
・プランク:20〜30秒 × 2セット
・背中のストレッチ、肩甲骨回し:各1分
✅ポイント:運動習慣がない人も取り入れやすく、血流改善に効果的

💡 まとめ
🔸食事は「高タンパク・低脂肪・食物繊維豊富」を意識
🔸運動は「有酸素+筋トレ+ストレッチ」の組み合わせが肝臓脂肪減少に最適
🔸無理なく続けることが最大のポイント

薬物療法(補助的)💊
現時点では、脂肪肝に対する特効薬は存在しません。ただし、以下のような薬剤が使用されることがあります。
・インスリン抵抗性の改善薬(ピオグリタゾンなど)
・GLP-1受容体作動薬(肥満合併例に)
・ビタミンE(抗酸化作用)※NASHの一部例に推奨
・高脂血症治療薬、糖尿病治療薬
症状や合併症に応じて使い分けます。

体重管理
・体重の5〜10%を減らすだけで肝機能が改善すると報告されています。
・ただし急激なダイエットは逆効果。月に1〜2kgのペースが理想です。

アルコール🍺
・「毎日飲む」習慣が最も危険。
・週2日は休肝日を設けましょう。
・量はビールなら中瓶1本、日本酒なら1合までが目安です。

定期健診・内視鏡検査🏥
・脂肪肝がある方は、大腸ポリープ・がんが見つかるリスクも高いため、大腸内視鏡の受診をおすすめします。
・「脂肪肝=肝臓だけの問題」ではないことをぜひ覚えておいてください。
ポイント
🔸「やせているから大丈夫」とは限らない
🔸サプリや健康食品だけでは治らない
🔸数値が少し良くなったからといって油断しない
🔸自己判断の断食や極端な糖質制限は危険

🔷放置するとどうなるの?
脂肪肝の大半は軽症のうちに生活習慣を改善すれば元に戻ります。
しかし放置すると以下の道をたどる危険があります。
脂肪肝 → 脂肪肝炎(NASH) → 肝硬変 → 肝がん
10〜20年かけて少しずつ進行してしまうこともあります。

さらに最近の研究では、脂肪肝の方は…
・心筋梗塞や脳卒中のリスクが1.5〜2倍になる
・大腸ポリープや大腸がんが見つかりやすい
といった報告もあります。
つまり、肝臓だけの問題にとどまらず全身の病気の入口になり得るのです。

🔷まとめ 脂肪肝は「沈黙の肝臓病」。早期発見・対策がカギ📝
脂肪肝は「ただの脂肪の蓄積」と思われがちですが、放置すれば肝硬変・肝がんへと進行する可能性のある生活習慣病の一種です。

🔸 健診で指摘されたら、軽視せず専門医に相談を
🔸 生活習慣の改善が第一の治療
🔸 定期的なフォローアップが進行を防ぐ鍵

日頃の食事・運動を見直すことは、脂肪肝だけでなく、糖尿病・高血圧・動脈硬化の予防にもつながります🤝
🔸甘い飲み物をやめる
🔸歩く時間を増やす
🔸週に2日は休肝日
このような小さな一歩が、肝臓を守り、未来の病気を防ぐ大きな力になります🙂‍↕️
脂肪肝と指摘された方は、放置せず「生活を見直すチャンス」と前向きにとらえましょう。
そして定期的に健診・内視鏡を受け、ご自身の体を“見える化”することも大切です👨‍⚕️🩺

脂肪肝が気になる方、すでに指摘された方は、ぜひ早めに受診して、適切なアプローチを始めましょう🌟

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