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胸やけは食道裂孔ヘルニアのサイン?内視鏡でわかるその原因と治療法🔍


こんにちは☀
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥✨

胸やけ、のどの違和感…「なんとなく調子が悪い」それ、もしかして 食道裂孔ヘルニアかもしれません💦

日常の中でこんな症状を感じたことはありませんか?
☑︎食後に胸やけがする
☑︎横になると胃酸が上がってくるような感じがする
☑︎のどの奥がつかえるような違和感がある
☑︎げっぷ・吐き気が続いている

「ちょっと疲れているだけかな」「年齢のせいかも」と見過ごされがちですが、実はこうした症状の原因として食道裂孔ヘルニアが関わっていることがあります😣

食道裂孔ヘルニアは、胃と食道の境目の位置がズレることで起こる病気で、逆流性食道炎の原因のひとつともなります。症状があっても自覚しにくく、放置されているケースも少なくありません⚠

当院には「胃の調子が悪くて薬を飲んでいるが、なかなか良くならない」というご相談が多く寄せられます💊その背景を内視鏡検査で詳しく調べてみると、食道裂孔ヘルニアが見つかることがよくあります。

この記事では、
👉 食道裂孔ヘルニアとは何か?
👉 どんな症状が出るのか?
👉 どうやって検査・治療するのか?
…といったポイントをわかりやすく解説していきます!

「もしかして自分も?」と気になった方は、ぜひ最後まで読んでみてください🙂‍↕️

🟢 食道裂孔ヘルニアとは?🟢
食道裂孔ヘルニアとは、【胃の一部が本来あるべき場所(お腹側)から、横隔膜にある食道裂孔と呼ばれる食道の通過する穴を通じて胸の方へズレてしまう状態】のことを言います。

▼ そもそも「横隔膜」って何?
横隔膜は、胸とお腹を分けている大きな筋肉の膜で、呼吸をする時にも使われるとても大事な筋肉です🗣️この横隔膜には「食道裂孔(しょくどうれっこう)」という小さな穴があいていて、そこを通って食道が胃へとつながっています。

通常、食道と胃のつなぎ目(胃の入り口=噴門)はこの裂孔の下にあります。しかし、何らかの原因でこの部分が緩んでしまうと、胃の一部が胸の中に押し上げられてしまうことがあります。これが「食道裂孔ヘルニア」です🚨

▼ 食道裂孔ヘルニアのタイプ
食道裂孔ヘルニアには主に2つのタイプがあります。

① 滑脱型(かつだつがた)📈
最も多いタイプで、胃の入り口が食道ごと上にずれてしまうもの。
逆流性食道炎を起こしやすく、胸やけなどの症状が出やすいです💫

② 傍食道型(ぼうしょくどうがた)📉
比較的まれですが、胃の一部が食道の横に押し上がるタイプ。
場合によっては胃がねじれてしまうなど、緊急手術が必要になることもあります💥

③ 混合型
滑脱型と傍食道型の両方の特徴を併せ持ったタイプで、より複雑な構造になります。

▼ なぜ起こるの?
食道裂孔ヘルニアの原因には以下のようなものがあります🧐

✔ 加齢による筋肉のゆるみ→ 特に60代以降で増えてきます。
✔ 肥満や腹圧の上昇→ お腹に力がかかることで胃が押し上げられやすくなります。
✔ 慢性的な咳や便秘、重いものを持つ習慣
✔ 妊娠・出産
✔ 先天的(生まれつき)食道裂孔がゆるい人

▼ 食道裂孔ヘルニアはどうして問題なの?
本来、食道と胃の境目には「逆流防止弁」のような働きをする仕組みがあります。
ところが、ヘルニアによってこの位置がずれると、胃酸が食道へ逆流しやすくなってしまいます

🟢 食道裂孔ヘルニアの症状 🟢
食道裂孔ヘルニアは、はっきりした症状が出る人もいれば、ほとんど自覚がない人もいます。
しかし、次のような症状がある場合、知らず知らずのうちに胃酸の逆流や食道への刺激が起きている可能性があります。

▼よく見られる症状
💠 胸やけ(胸の中央がヒリヒリ・ジリジリする感じ)
食後や横になったときに、胸のあたりが焼けるように感じる
→ これは、胃酸が食道へ逆流することで起こる刺激によるものです。

💠 酸っぱい液体が上がってくる(呑酸:どんさん)
「口の中に酸っぱいものがこみ上げてくる」と感じたことはありませんか?
胃の内容物(胃酸や食べ物)が食道を逆流して、口の中まで上がってくることがあります。

💠 のどの違和感・つかえ感・声がれ
食べ物が引っかかるような感覚や、声がかすれる、のどがイガイガするという訴えも多いです。
胃酸による食道の炎症がのどまで影響するためです。

💠 慢性的な咳・喘息のような症状
意外かもしれませんが、「咳がなかなか治らない」「夜中に咳き込む」という症状が、実は胃酸逆流によることもあります。
医療現場では「咳喘息」や「胃食道逆流症(GERD)による咳」と呼ばれます。

💠 みぞおちの痛み・胃の不快感
胃の上部が圧迫されるような感じや、食後の胃もたれを訴える人もいます。

💠 げっぷ・膨満感
食後にげっぷが増えて、お腹が張る感じがすることもあります。
胃と食道の位置関係が崩れることで、ガスの逃げ道が変わってしまうためです。

🟢 症状が出やすいタイミング・姿勢 🟢
食道裂孔ヘルニアによる逆流症状は、以下のようなタイミングで強く出る傾向があります。

・食後すぐに横になるとき
・就寝中(特に仰向け)
・前かがみになったとき
・重いものを持ち上げたとき
・お酒・脂っこい食事のあと

このような姿勢や行動が、お腹に圧をかけて胃を押し上げることで、胃酸の逆流を助長してしまいます。

🟢こんな症状があれば、一度ご相談を🩺🟢
次のような症状が週に2回以上ある方は、逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアが関係している可能性があります。
☑︎食後の胸やけ・酸っぱい感じ
☑︎のどの違和感が続いている
☑︎慢性的な咳や声がれ
☑︎胃の不快感やげっぷが増えた
「なんとなく我慢しているけど、実は不調が続いている」という方こそ、早めの検査が大切です🏥

🟢 食道裂孔ヘルニアの治療法 🟢
食道裂孔ヘルニアの治療は、「症状の強さ」や「逆流の程度」に応じて段階的に行うのが一般的です。
すべての患者さんがいきなり手術になるわけではありません。
多くの方は、薬物療法と生活習慣の見直しで改善が見込めます💊

① 薬による治療(内服治療)
まずは胃酸の逆流によって引き起こされる症状(胸やけ・呑酸など)を抑えるために、薬を使ってコントロールします。

【主に使われるお薬💊】
・PPI(プロトンポンプ阻害薬)
 胃酸の分泌を強力に抑える薬。長年使われている代表的な治療薬です。
 例:オメプラゾール、ランソプラゾール など
・P-CAB(カリウムイオン競合型酸分泌抑制薬)
 より速効性があり、PPIより効果が高いとされる新しいタイプの薬です。
 例:ボノプラザン(タケキャブ)など
・消化管運動改善薬(胃の動きを良くする薬)
 胃の中に食べ物が長くとどまらないようにし、逆流を防ぎます。
・制酸薬・粘膜保護剤
 症状が軽い場合や、補助的に使うこともあります。

💬 症状が強い時期には薬でしっかりと胃酸を抑え、食道へのダメージを防ぎます。
その上で、再発予防のための生活習慣の見直しも重要です。

② 生活習慣の改善(セルフケア)
薬と並行して、日常生活のちょっとした工夫が治療効果を大きく左右します。

【食事のポイント🍳】
・一度にたくさん食べすぎない(腹八分目が理想)
・脂っこいもの・甘いもの・酸っぱいものを控える
・寝る前2〜3時間は食事を控える
・カフェイン・アルコール・炭酸飲料も控えめに

【姿勢・習慣のポイント🧍🏼】
・食後すぐに横にならない(右向きや仰向けは特に避ける)
・寝るときは頭を10〜15cm高くして眠る(クッションやリクライニングベッドなど)
・ベルトやガードルなどお腹を締め付ける服は避ける
・肥満がある場合は減量を心がける

このような工夫で、胃酸の逆流を最小限に抑えることができます。

③ 手術による治療(外科的治療)
薬や生活習慣の改善をしても症状がコントロールできない場合や、ヘルニアのサイズが大きく、胃の位置が大きくズレている場合には、外科的な手術が検討されることもあります⚠️

【一般的な手術法👨🏻‍⚕️】
腹腔鏡下噴門形成術(Nissen法など)
胃の一部を食道の周りに巻き付けて、逆流防止のバルブを作ります。
同時に、胃が上に飛び出さないように、ヘルニアを元の位置に戻す処置も行います。

【手術の対象になることが多いケース📈】
・重度の逆流性食道炎がある
・大きな傍食道型ヘルニア
・薬を続けても症状が改善しない
・食道の炎症やびらん、潰瘍が繰り返される

💡現在は腹腔鏡手術(体に小さな穴をあけて行う)が主流のため、術後の回復も早く、身体への負担は軽減されています。
食道裂孔ヘルニアの治療は、いきなり手術ではなくまずは薬や生活習慣の見直しで症状を和らげていくのが基本です。
何か違和感や体調不良が続いたら、お一人で悩まず、まずは医師に相談してみましょう🌿

🟢 🤔Q&Aコーナー(よくある質問)🟢
Q:食道裂孔ヘルニアは自然に治りますか?】
 A:多くの場合、自然には治りませんが、薬や生活改善で症状を抑えることができます。

Q:胃カメラを受けるのが怖いのですが…?】
 A:当院では経験豊富な内視鏡専門医が麻酔(鎮静剤)を使用して、苦痛の少ない検査を実施しています。

Q:市販の胃薬でも大丈夫ですか?
 A:一時的には効果がある場合もありますが、根本原因(ヘルニア)には対処できないため、医師の診断をおすすめします。

🟢 最後に 🟢
食道裂孔ヘルニアは、見えにくいけれど、よくある病気です🚨

胸やけ、のどの違和感、食後の不快感やげっぷ。
こうした症状は、日常生活の中では「よくあること」として見過ごされがちです😶‍🌫️市販薬や胃薬で一時的に良くなったとしても、根本的な原因が改善されていなければ、同じ症状を繰り返すことも少なくありません🌀

症状があっても「こんなものかな」と我慢している方や、市販薬でなんとなく済ませてしまっている方も多いのが現状です。つらい症状には、必ず原因があります💫

食道裂孔ヘルニアは、珍しい病気ではありません。年齢や生活習慣に伴って、誰にでも起こり得るものです😣胃の位置が本来の場所からズレてしまうことで、気づかぬうちに胃酸が逆流しやすくなり、さまざまな不調につながります。内視鏡検査でしっかりと状態を確認することで、今後の治療や生活の方向性が見えてきます🔍

「最近、胸やけが気になるな…」
「のどの違和感がずっと続いている…」
そんなお悩みがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。胃の不調に、我慢はいりません🌿
不安に思いながらも、検査をためらっている方にとって、この記事が「調べてみようかな」と思えるきっかけになれば嬉しく思います😊

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