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胃カメラで異常なし🩺でも治らない…🌀機能性ディスペプシアって何?🤔


こんにちは☺️
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥✨
本日は「機能性ディスペプシア」について徹底的に解説したいと思います💡

最近、こんな症状に悩まされていませんか?
・食後、いつまでも胃が重たい感じがする🌀
・少ししか食べていないのに、すぐにお腹がいっぱいになる🌀
・特に何もしていないのに、みぞおちのあたりがジワジワと痛む🌀

このような症状が続いて病院を受診し、胃カメラを受けてみたものの
「特に異常はありませんね」と言われて戸惑った…そんな方は、意外と多いのです。

それはもしかすると、「機能性ディスペプシア(FD)」という病気かもしれません💦

目に見える異常がないにもかかわらず、胃の不快な症状が続く。。。
ストレスや自律神経の乱れが関係していることもあり、“こころと胃のバランス”が崩れたような状態とも言えるかもしれません😞

今回は、そんな機能性ディスペプシアについてわかりやすく解説いたします。
「病気じゃないのに、なぜこんなにしんどいのか?」という疑問に、お答えできたらと思います。

🔎 機能性ディスペプシアってどんな病気?
機能性ディスペプシアとは、「胃の働きに異常があるにもかかわらず、検査では明らかな異常が見つからない胃の不調」を指します。
✅ 胃カメラ(内視鏡)などの検査で異常が見つからない
✅ にもかかわらず、慢性的に胃の痛みや不快感が続く
このような状態を「機能性疾患」と呼びます。機能性ディスペプシア(FD)はその代表的な病気です。

❓豆知識「FDってなんの略?」❓~
FD = Functional Dyspepsiaの略
・Functional(機能性)=「形や構造に異常はないけれど、働きに問題がある」
・Dyspepsia(ディスペプシア)=「消化不良」や「胃の不快感」を意味する医学用語

「目に見える異常はないのに、胃の不快な症状が続く状態」を表す診断名です。

🔎機能性ディスペプシアは・・2つのタイプがあります!
🌿『 食後愁訴症候群(Postprandial Distress Syndrome, PDS)』🌿
→ 食後に胃がもたれたり、すぐにお腹いっぱいになるタイプ

👆主な症状
・食後の不快な胃もたれ
・早期膨満感(少量の食事で満腹になる)
・胃の張りや重苦しさ
・食後に横になると不快感が増すことも

👆原因として考えられること
PDSの主な原因は、「胃の動きが悪くなっていること」です。
食べた物が胃の中で長くとどまってしまい、スムーズに腸へ送られないため、もたれ感や満腹感が強くなります。

✅ 胃の排出機能の低下
✅ 胃の拡張反応の異常
✅ 自律神経のアンバランス

ストレスや生活リズムの乱れが、これらの機能に影響を与えると考えられています。

👆日常生活で困ること
・少ししか食べていないのに満腹になってしまい、栄養が不足しやすい
・外食や会食が億劫になる
・食べた後、長時間だるくなる・動けなくなる

🌿『心窩部痛症候群(Epigastric Pain Syndrome, EPS)』🌿
→ 空腹時にみぞおちが痛くなったり、チクチク・シクシクするタイプ

👆主な症状
・空腹時、または食後にみぞおちが痛む
・灼熱感(胃の奥が焼けるような感覚)
・差し込むような胃の痛み
・胃酸の逆流感を伴うこともある
※ただし、胃潰瘍や逆流性食道炎とは異なり、内視鏡では異常が見つかりません。

👆原因として考えられること
EPSは、「胃の知覚過敏」が主な原因と考えられています。
通常では痛みを感じない程度の刺激(胃酸、膨張など)でも、過敏に反応してしまうのです。

✅ 胃の神経の感受性が高まっている
✅ 胃酸が少量でも痛みを引き起こす
✅ 精神的ストレスが痛みを強める

👆日常生活で困ること
・朝起きたときや空腹時に痛みがあり、食欲が出ない
・緊張やストレスで痛みが強くなる
・「胃が悪いのでは?」と心配になりやすい

実際は2つが混在することもあります。
PDSとEPSは別のタイプとされていますが、実際には症状が重なって出ることも珍しくありません。

たとえば・・・🧐
・食後にもたれる(PDS)+ 空腹時に痛む(EPS)
・満腹になりやすい(PDS)+ 焼けるような感じがある(EPS)

そのため、診察では「どちらのタイプがより強く出ているか」を見極めることが、治療方針を決めるうえでとても大切になります。

🔍 あなたはどっちのタイプ?セルフチェックリスト
以下のチェックリストで、ご自身の症状がどちらのタイプに近いか確認してみましょう。

質問

はい

いいえ

食後に胃が重たくなる

すぐにお腹いっぱいになる

少しの量しか食べられない

空腹時や夜中に胃が痛む

胃がキリキリ・ジワジワ痛む感じがある

胃酸がしみるような痛みを感じることがある

「はい」が上段に多い場合 → PDS型(食後愁訴症候群)
「はい」が下段に多い場合 → EPS型(心窩部痛症候群)
※混在している場合もよくあります。自己判断せず、必ず医師の診察を受けましょう。

🔎機能性ディスペプシアの診察ってどんなことをするの?
FDは“目に見える異常がない病気”だからこそ、診察では丁寧な聞き取り(問診)と検査が必要になります。
ここでは、一般的な診療の流れをご紹介します。

👨🏻‍お話を聞く(問診)
まずは、あなたの症状についてじっくりお話を伺います。
・いつから続いているか
・食事との関係(食後?空腹時?)
・どんな症状があるか(もたれ・痛み・満腹感など)
・ストレスや生活リズムの変化は?
・市販薬や胃薬は効いたか?
・体重減少・血便・貧血などの「赤信号」はないか?

この問診で、FDの可能性とタイプ(PDS型 or EPS型)を推測します。

🏥お腹の診察(視診・触診)
・お腹を押してみて痛みの場所を確認
・腸の音を聴診器で聞く
・お腹の張り具合や異常な腫れがないかチェック
目に見える異常がないかを、身体でも確認していきます。

💉 必要な検査を提案します
✔ 血液検査
→ 炎症や貧血がないか、胃がんなどの重大な疾患のサインがないかを確認します。

✔ ピロリ菌検査
→ ピロリ菌が関与していることもあるため、未検査の方は確認をおすすめします。

✔ 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
→ 潰瘍、がん、胃炎、逆流性食道炎などがないかを直接確認する最も大事な検査です。

📝 FDと診断するためには、「検査で他の病気がないこと」が前提です。

💊検査の結果をふまえて診断
血液検査や胃カメラに問題がなく、症状が続いている場合は、機能性ディスペプシアと診断されます。
さらに、あなたの症状が「食後に強く出る  PDS型(食後愁訴症候群)」又は「空腹時や時間関係なく痛む → EPS型(心窩部痛症候群)」のどちからのタイプかを確認し、治療方針を決めていきます。

🌿治療方法
では、機能性ディスペプシアと診断された場合、どのような治療を行っていくのでしょうか?
次に、治療の流れと方針についてご紹介します。

✅薬物療法(症状に合わせて選択します)
FDの治療の中心は、薬による対症療法です。

💊 胃酸を抑える薬(EPS型に多い)
・PPI(プロトンポンプ阻害薬)
・H2ブロッカー
→ 胃酸による刺激を和らげ、痛みや不快感を軽減します。

💊 胃の動きを助ける薬(PDS型に多い)
・消化管運動促進薬(モサプリドなど)
→ 食後のもたれ感・膨満感を改善する作用があります。

💊 その他、必要に応じて
・漢方薬(六君子湯など):体質や全体のバランスを見て処方
・抗不安薬や抗うつ薬:ストレスが強く影響している場合に使用
・睡眠の質を高める薬:自律神経の調整にもつながります

✅ 生活習慣の見直しも大切です
薬だけでは改善が難しいこともあります。
以下のような生活の工夫が、治療効果を後押ししてくれます。

🍽 食事のポイント
・少量ずつ、よく噛んで食べる
・脂っこいもの、香辛料、カフェインを控える
・就寝前の食事は避ける

🍙おすすめの1日の食事メニュー🍙
🥣 朝食のおすすめ
・おかゆ+温野菜(にんじん・かぼちゃなど)
・具だくさんみそ汁+全粥+焼き魚(白身)
・バナナ+ヨーグルト(プレーン)+トースト少量

⭕温かくて消化に良いものがベスト
⭕物は酸味の少ないバナナやりんごがおすすめ

🍱 昼食のおすすめ
・うどん(やわらかめ)+温泉卵+青菜のおひたし
・おにぎり(梅・昆布)+豆腐のみそ汁+煮魚(たらやさわらなど)
・具なしのお茶漬け+とろろ芋+湯豆腐

⭕麺類や煮物は油控えめ・味薄めが◎
⭕野菜より温野菜が消化に優しい

🍲 夕食のおすすめ
・鶏ささみと白菜のあんかけ+白米+みそ汁
・かぼちゃのそぼろ煮+雑炊+大根の煮物
・白身魚のホイル蒸し+ごはん+味噌汁+すりおろしりんご

⭕寝る前2~3時間前には食べ終わるのが理想
⭕刺激物・アルコール・カフェインはできるだけ控える

🚫 避けたい食べ物(症状が強い時)
・揚げ物、脂の多い肉(バラ肉・ソーセージなど)
・辛いもの(唐辛子・キムチ・カレー)
・カフェイン(コーヒー・濃い緑茶)
・冷たい炭酸飲料
・お酒全般(特に空腹時)

🧘‍ ストレスケア
・睡眠をしっかりとる
・自分なりのリラックス法を見つける(深呼吸、散歩など)
・頑張りすぎない・一人で抱え込まない

📅 規則正しい生活
・決まった時間に食事と就寝
・お腹がすいていなくても軽く食べてリズムを保つ

 ✅治療の経過と見直し
治療は段階的に進めるのが一般的です。
・通常は、まず2~4週間程度お薬を使って経過を観察
・症状が改善すれば徐々に減薬・終了へ
・改善が不十分なら薬を変更したり、併用を検討
・再発しやすい方はストレス対策や生活習慣の維持がポイント

医師と相談しながら、あなたに合った方法を一緒に見つけていきましょう☺️✨

🔎機能性ディスペプシアから大きな病気につながることはあるの?
機能性ディスペプシア(FD)は、胃や十二指腸に異常がないのに胃の不快感が続く病気です。
大きな病気に進行することは基本的にありませんので、ご安心ください。

ただし、胃カメラなどの検査でがんや潰瘍などの重い病気をしっかり除外することが大切です。
また、機能性ディスペプシアはストレスや生活習慣と深く関わっているため、症状が長引くと食欲不振や睡眠障害、気分の落ち込みなど、体全体の調子に影響を及ぼすこともあります💦

機能性ディスペプシアは命に関わる病気ではありませんが、症状が続く場合は我慢せず、医師に相談して適切な治療と生活習慣の見直しを行いましょう✨

🔎最後に
機能性ディスペプシアは、薬だけでなく、ストレスや生活習慣のコントロールも治療の大切な柱です。無理のない範囲で、毎日の食事や過ごし方を見直すことが、胃の不調の改善につながります。「気のせいかも」と我慢せず、気になる症状があればどうぞお気軽にご相談ください👨🏻‍⚕️💡

また、機能性ディスペプシアの診断では、内視鏡検査や採血を行った上で、がんなどの病気がないことを確認した後に、正式に診断となることをお伝えしました。敬遠されがちな内視鏡検査ですが、当院では、「痛くない・辛くない・恥ずかしくない」検査及び治療を提供できるよう、スタッフ一同日々診療に取り組んでおりますので、お気軽にご相談くださいませ💁‍♀️

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