こんにちは🌈
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥✨
本日のテーマは「肝機能障害」です❗詳しく解説していきます❗
「肝機能障害」とは、肝臓の働きが正常に行われなくなる状態を指します。肝臓は体内で非常に重要な役割を担っています✨
例えば、解毒作用、栄養素の代謝、ホルモンの合成、免疫の管理など、様々な機能を果たしています。そのため、肝機能に障害が生じると体全体に深刻な影響を与え、健康に多大な支障を来すことがあります😱
✅肝臓の基本的な役割
肝臓は体内で最も重い内臓であり、1日に数百リットルの血液を処理し、3000種類以上の化学反応を行っています。主な役割は以下の通りです。
●解毒作用
肝臓は血液中の有害物質や老廃物を処理し、尿や胆汁として体外に排出します。
●栄養素の代謝
食物から得た糖分や脂肪、たんぱく質を分解し、エネルギー源や体に必要な成分に変換します。
●ホルモンの合成
体内のホルモン、特に性ホルモンやストレスホルモンを合成します。
●免疫機能の管理
肝臓には免疫細胞が多く、体内の感染症に対する防御にも関与します。
✅肝機能障害の原因
肝機能障害は様々な原因によって引き起こされます。代表的な原因を以下に挙げます。
①アルコール🍻
過剰なアルコール摂取は、肝臓に負担をかけ、アルコール性肝障害を引き起こします。長期間にわたる過剰飲酒は肝硬変や肝がんの原因となることがあります。
②ウイルス性肝炎
B型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)は、肝臓に炎症を引き起こし、慢性肝炎、肝硬変、さらには肝がんに進行することがあります。
③薬剤性肝障害💊
特定の薬剤が肝臓にダメージを与えることがあります。例えば、解熱鎮痛薬や抗生物質、抗うつ薬など、肝臓で代謝される薬剤は肝障害を引き起こす可能性があります。
④脂肪肝
脂肪肝は、過剰な脂肪が肝臓に蓄積する病気です。食生活の乱れや肥満、糖尿病などが原因となります。放置すると脂肪肝が進行し、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に発展し、肝硬変や肝がんのリスクを高めます。
⑤自己免疫性疾患
自己免疫性肝炎は、免疫系が誤って自分の肝臓を攻撃する病気です。この状態が進行すると、肝硬変を引き起こすことがあります。
⑥遺伝性疾患
ウィルソン病(銅代謝異常)、ヘモクロマトーシス(鉄代謝異常)など、遺伝的要因が原因となる肝機能障害もあります。これらの疾患では、体内に特定の物質が過剰に蓄積し、肝臓にダメージを与えます。
✅肝機能障害の症状
肝機能障害の初期段階では、ほとんど症状が現れないことが多いため、「沈黙の臓器」とも呼ばれます。しかし、病状が進行すると様々な症状が現れます。
<初期症状>
・倦怠感や疲労感
・食欲不振
・軽い腹痛や膨満感
・皮膚のかゆみ
<進行した場合>
肝機能障害が進行すると、次のような症状が現れることがあります。
●黄疸
皮膚や目の白い部分が黄色くなる。ビリルビンの蓄積が原因。
●腹水
腹部に水分がたまる。
●浮腫
足や手にむくみが現れる。
●意識障害
肝性脳症により、意識障害や精神的な変化が見られることがあります。
✅肝機能障害の診断方法
肝機能障害の診断は、以下の方法で行われます。
①血液検査💉
肝臓の機能を評価するためには、血液中の肝酵素(ALT、AST、ALP、γ-GTPなど)やビリルビン、アルブミンの値を測定します。これにより、肝臓のダメージの程度や機能障害の有無が分かります。
②画像診断
超音波検査(エコー)やCT、MRIなどの画像診断により、肝臓の形状や内部の状態を確認します。これにより、肝臓の脂肪の蓄積や腫瘍の有無などを確認できます。
③生検
肝臓の組織を採取し、顕微鏡で調べることで、肝障害の原因や進行度を詳しく調べることができます。
✅肝機能障害の治療法
肝機能障害の治療は、原因に応じて異なります。
①アルコール性肝障害
禁酒が最も重要な治療です。また、栄養補助や薬物治療も行われることがあります。
②ウイルス性肝炎
B型肝炎やC型肝炎には、抗ウイルス薬が使用されます。早期に治療を開始することで、肝硬変や肝がんのリスクを減らすことができます。
③薬剤性肝障害
薬剤の中止が最も重要です。肝臓が回復するには時間がかかる場合がありますが、薬剤を中止することで改善することが多いです。
④脂肪肝
食生活の改善や運動、体重管理が最も効果的です。糖尿病や脂質異常症が合併している場合、薬物治療が行われることもあります。
⑤肝移植
肝硬変や末期の肝疾患では、肝移植が唯一の治療法となることがあります。肝移植にはドナーが必要ですが、肝臓の提供を受けることで治療が可能になります。
✅肝機能障害の予防
肝機能障害を予防するためには、以下の点に注意することが重要です。
●健康的な食生活
脂肪分の少ないバランスの取れた食事を心がけ、アルコールは控えめにします。
●定期的な運動
体重管理や脂肪肝予防に役立ちます。
●禁煙
タバコは肝臓に対する有害な影響を与えます。
●定期的な健康チェック
肝機能の検査を定期的に受けることが大切です。
では、おすすめの運動方法をご紹介します👆
①有酸素運動(週3〜5回、1回30分程度)
効果: 脂肪燃焼・肝脂肪の減少
・ウォーキング(最も安全)
・軽いジョギング(余裕があれば)
・サイクリング
・スイミング(関節負担が少ない)
🌟ポイント:「ややきつい」と感じるくらいの強度(心拍数120〜130前後)
②レジスタンストレーニング(筋トレ)(週2〜3回)
効果: 筋肉量の増加 → 基礎代謝UP → 肝脂肪減少
・自重トレ(スクワット、プランク、腕立て)
・マシンやダンベルを使ったトレーニング(可能であれば)
⚠️ただし、重症肝障害や腹水がある場合は医師の判断を仰いでください。
③ストレッチ・ヨガ
効果: 血流改善・自律神経の安定
・肝臓への血流を促すような軽いストレッチ
・ヨガの「ねじり系ポーズ」なども有効(ただし無理は禁物)
⚠️運動の注意点
・急激な運動はNG
肝臓に過度な負荷がかかる場合があります。
・疲労を感じたら中止
肝機能低下時は疲れやすくなるため、体調優先。
・運動前後は十分な水分補給を。
・運動と並行して食事療法も必須(特に糖質・脂質の管理)
ここからはおすすめの食事について紹介します👌🍚
🌟肝臓にやさしい食事のポイント
①肝臓の負担を減らす(脂肪・糖質・アルコールの過剰摂取を避ける)
②肝細胞の再生を助ける栄養素を摂る
③脂肪肝・インスリン抵抗性の改善
④腸内環境の改善 → 肝臓への炎症シグナルを抑える
🥗具体的におすすめの食事内容
①良質なタンパク質を摂る
肝臓の修復に必要。特に以下のような低脂肪・高タンパク食品がおすすめです❗
・鶏むね肉・ささみ
・白身魚(タラ、カレイなど)
・豆腐・納豆などの大豆製品
・卵(1日1個程度ならOK)
・ギリシャヨーグルト、低脂肪乳製品
※肝硬変などでタンパク制限が必要な場合は、医師に確認してください。
②過剰な糖質・脂質の制限
・白米→雑穀米・玄米に変更(血糖値上昇を抑える)
・甘いお菓子・ジュース・砂糖入り飲料はNG
・揚げ物・ラード・バター → オリーブオイル・えごま油に置き換え
③抗酸化作用・抗炎症作用のある食品を摂る
・緑黄色野菜(ブロッコリー、ほうれん草、トマト、かぼちゃ)🥦
・海藻類(ワカメ、ひじき、昆布)
・キノコ類(しめじ、エノキ、マイタケ)🍄
・青魚(サバ、イワシ、サンマなど:DHA・EPAが豊富)🐟
④肝機能サポートに有効な栄養素
栄養素 |
含まれる食材 |
効果 |
ビタミンE |
アーモンド、アボカド、かぼちゃ |
抗酸化作用で肝細胞を守る |
ビタミンC |
ブロッコリー、キウイ、赤ピーマン |
免疫機能サポート、炎症抑制 |
オルニチン |
シジミ、エノキ、チーズ |
肝臓の解毒機能サポート |
食物繊維 |
玄米、納豆、海藻、野菜 |
腸内環境の改善 → 肝臓への炎症軽減 |
🚫避けるべき食べ物・習慣
・アルコール(完全禁酒が原則)🍺
・加工肉(ソーセージ、ベーコンなど)🥓
・ファストフード(高脂質・高カロリー)🍟
・スナック菓子や清涼飲料水🍪
・深夜の食事(肝臓の代謝に負担)
食事のタイミングも大事❗
・食事は規則正しく1日3食☀️
・夜遅くの食事は避ける(寝る2~3時間前までに)
・間食はなるべく避け、摂る場合はナッツやヨーグルトなど低GI食品で❗
ちょっとしたコツ❗
・毎食「野菜から食べる」ことで血糖値の急上昇を抑え、肝臓の負担を軽減
・食材の「色」を意識すると自然に栄養バランスが良くなる(赤・緑・黄・白・黒)
🗓️ 1週間 肝機能サポート献立プラン
曜日 |
朝食 |
昼食 |
夕食 |
月 |
玄米ごはん+納豆+具だくさん味噌汁(わかめ・豆腐・ネギ)+りんご |
雑穀ごはん+鮭の塩焼き+小松菜のおひたし+味噌汁 |
鶏むね肉のソテー(レモン添え)+ブロッコリー+ひじき煮+豆腐の味噌汁 |
火 |
オートミール+豆乳ヨーグルト+ブルーベリー+ナッツ |
サバの味噌煮+麦ごはん+白菜の浅漬け+味噌汁(きのこ) |
豆腐ステーキ+小松菜としめじの炒め物+わかめスープ |
水 |
バナナ+ゆで卵+ほうれん草スムージー(小松菜・りんご・レモン) |
鶏そぼろ丼(鶏むね肉)+キャベツと人参のごま和え+豆腐とわかめの味噌汁 |
白身魚の蒸し煮+かぼちゃ煮+もずく酢+ごはん |
木 |
雑穀パン+アボカド+豆乳+ゆで卵 |
きのこたっぷり和風パスタ(しめじ・エリンギ・ほうれん草)+ミニトマトサラダ |
湯豆腐+納豆+海藻サラダ+ごはん+味噌汁 |
金 |
豆腐+りんご+青菜ときな粉入りスムージー |
鮭と野菜のホイル焼き+玄米+具だくさん味噌汁+漬物 |
鶏むね肉の梅しそ焼き+こんにゃくの炒め煮+サラダ+ごはん |
土 |
おにぎり(梅・しそ)+味噌汁+焼きのり+温泉卵 |
いわしの生姜煮+麦ごはん+白菜としめじの和え物+味噌汁 |
野菜たっぷり豆乳鍋(白菜・しめじ・人参・豆腐)+玄米 |
日 |
雑炊(卵・小松菜・しらす)+りんご+緑茶 |
野菜スープ+サンドイッチ(鶏ハム+アボカド)+ヨーグルト |
グリル野菜+ささみのピカタ+トマトのサラダ+玄米 |
🍵 間食におすすめ(1日1~2回まで)
・ナッツ(無塩・無添加)
・ゆでたまご🥚
・フルーツ(りんご、バナナ、みかんなど)🍎
・豆乳ヨーグルト
・おからクッキーや干し芋(無添加)
この献立は、肝臓に負担をかけず、代謝を助ける栄養素をしっかり取り入れる内容になっています。
体調に応じて、主治医や管理栄養士と相談しながらアレンジするのもおすすめです。
🍳【肝機能サポート】簡単レシピ集(10品)🍳
① 鶏むね肉の梅しそ焼き
材料(2人分)
・鶏むね肉:1枚
・梅干し:2個(種を除いて叩く)
・大葉(しそ):4枚
・塩・こしょう:少々
作り方
1. 鶏むね肉は観音開きにして塩こしょう。
2. 梅+しそをのせてクルクル巻き、楊枝で止める。
3. フライパンで蓋をして蒸し焼きに(中火で7〜8分)。
4. 焼き色がついたら取り出して完成!
② 豆腐ステーキ
材料(2人分)
・木綿豆腐:1丁
・片栗粉:適量
・ポン酢 or 醤油+レモン:お好みで
・青ねぎ・大根おろし:トッピング用
作り方
1. 豆腐はキッチンペーパーで水気を切り、厚さ5cmくらいに切る。
2. 表面に片栗粉を薄くまぶし、フライパンで両面焼く。
3. 焼き色がついたらポン酢などで味付けし、盛り付け!
③ 鮭と野菜のホイル焼き
材料(2人分)
・鮭:2切れ
・玉ねぎ、しめじ、にんじん:各適量
・ポン酢 or 醤油+レモン
・オリーブオイル:少々
作り方
1. アルミホイルに野菜+鮭をのせて包む。
2. フライパンまたはオーブントースターで蒸し焼き(中火10分)。
3. 出来上がったら開いて味付け!
④ 野菜たっぷり豆乳鍋
材料(2人分)
・白菜・にんじん・しめじ・豆腐:各適量
・無調整豆乳:400ml
・味噌:大さじ5
・だしパックまたは昆布だし:400ml
作り方
1. 鍋にだしと野菜を入れて加熱。
2. 火が通ったら豆乳+味噌を溶かして加える。
3. 沸騰しないよう注意しながら温めて完成。
⑤ いわしの生姜煮(缶詰でもOK)
材料(2人分)
・いわし:2尾(下処理済)
・生姜:1片(薄切り)
・醤油・みりん・酒・水:各大さじ2
作り方
1. 材料を鍋に入れ、落し蓋をして中火で10分煮る。
2. 煮詰まって味がしみたら完成!
⑥ ひじきの煮物
材料(作り置き2~3食分)
・乾燥ひじき:10g(戻しておく)
・人参、油揚げ:少量
・醤油・みりん・だし:各大さじ1〜2
作り方
1. 材料を炒めて、調味料で煮るだけ。
2. 冷蔵で3日保存OK。
⑦ 鶏むねのソテー(レモン風味)
材料(2人分)
・鶏むね肉:1枚
・塩・こしょう・片栗粉:適量
・レモン汁:大さじ1〜2
作り方
1. 鶏むね肉を削ぎ切りにして下味をつける。
2. 片栗粉をまぶし、フライパンで焼く。
3. 最後にレモン汁をかけてさっぱり仕上げ!
⑧ 小松菜としめじの炒め物
材料(2人分)
・小松菜:1/2束
・しめじ:1/2パック
・醤油・だし:少々
作り方
1. 材料をさっと炒めて、軽く味付けするだけ!
2. 食物繊維とミネラルがたっぷり。
⑨ 湯豆腐(ポン酢がけ)
材料(2人分)
・絹ごし豆腐:1丁
・わかめ・ネギ:少々
・ポン酢:適量
作り方
1. 鍋に豆腐と水を入れて温める。
2. わかめ・ネギを添えてポン酢で!
⑩ しらすと青菜の雑炊
材料(2人分)
・ごはん(冷ご飯でもOK):茶碗2杯分
・小松菜 or ほうれん草:1/2束
・卵:1個
・しらす:大さじ2
・だし・醤油:少々
作り方
1. だしでご飯と野菜を煮て、しらすを加える。
2. 最後に溶き卵を回しかけて火を止める。
3. ふたをして蒸らせば、ふわっと仕上がります。
~まとめ~
肝機能障害は早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。肝臓は非常に重要な臓器であり、その働きが正常でなくなると健康に深刻な影響を与えることがあります。日々の生活習慣を見直し肝機能を守るために予防策を講じることが、健康維持に繋がります😊
当院では知識・経験ともに豊富な肝臓専門医も複数名在籍しておりますので、肝機能で心配なことやそのほかの消化器疾患でお困りのことがありましたらどうぞ気軽にご相談くださいませ*