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大腸ポリープと胃ポリープについて🩺 ~放っておいてはいけないポリープの正体と対処法~


こんにちは🌺
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥✨

今回は、内視鏡検査で見つかることの多い「大腸ポリープ」と「胃ポリープ」についてご説明いたします。
ポリープという言葉を聞くと「がんですか?」と不安になる方も少なくありません。
しかし、正しく理解し、必要な対応をとることで、多くの場合は心配ありません🏵️

■ 大腸ポリープとは?
大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできる隆起性の病変です。大腸の内側(腸管内)に向かって、きのこやいぼのように盛り上がった形で発生します。ポリープには大きく分けて「良性」と「悪性(がん)または前がん病変」があり、その判別が非常に重要です🧑‍⚕️

■ なぜできるの?(原因とリスク因子)
大腸ポリープができるメカニズムは完全には解明されていませんが、以下のような生活習慣や遺伝的要素が関係するとされています。

🔹 主なリスク因子
・加齢(50歳以上)
・脂肪の多い食事
・野菜・食物繊維の不足
・飲酒・喫煙
・肥満・運動不足
・家族に大腸がんやポリープのある方
・慢性的な腸の炎症(潰瘍性大腸炎など)

■ 大腸ポリープの種類
❶腺腫性ポリープ(腺腫)
・最も一般的(約70〜80%)
・がんの前段階とされる前がん病変
・「腺腫 → がん」という経路が知られており、切除が推奨されます

❷過形成性ポリープ
・小さく、がん化のリスクは非常に低い
・ただし、大きさが10mm以上や右側結腸にある場合、「鋸歯状病変」の可能性あるため注意が必要です

❸鋸歯状(きょしじょう)ポリープ
・一部はがん化リスクがあり、サイズ・形態に応じて切除が必要です
・専門医の判断が必要な新しい分類

❹炎症性ポリープ
・慢性腸炎(潰瘍性大腸炎など)の合併症で、基本的に良性

❺若年性ポリープ・遺伝性ポリポーシス
・まれな遺伝性疾患で、多発性ポリープやがん化リスクが高い
・「家族性大腸腺腫症(FAP)」「リンチ症候群」などに注意

■ 症状はあるの?
多くの場合無症状です。
ただし、以下のような症状がある場合には注意が必要です!
・血便(鮮血〜黒っぽい便)
・便の形が細くなった
・排便時の違和感
・下痢と便秘を繰り返す

これらの症状があれば、大腸がんや大きなポリープのサインかもしれません。

■ 診断と検査方法
🔸 主な検査
・便潜血検査:スクリーニングに有効。ただし、感度は不十分です。
・大腸内視鏡検査(大腸カメラ):最も確実な診断法。ポリープの発見と同時に切除可能です。

■ ポリープの切除(ポリペクトミー)
・内視鏡的切除の方法
①ポリペクトミー(ポリープ切除術)
 スネア(輪っか)で絞めて電気で焼き切る

②EMR(内視鏡的粘膜切除術)
 生理食塩水などを注入してポリープを浮かせてから切除

③ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)
 より大きく、がんの可能性が高い病変に使用する高難度の手技

・入院が必要?
→ 多くは日帰り可能。ただし大きなポリープや出血リスクがある場合は短期入院することもあります。

■ 切除後の注意点
・切除後は一時的に出血リスクがあるため、食事・運動に制限が出ます(約1週間)
・結果が出るまで2~3週間ほどかかる病理検査で、がん細胞の有無を確認
・病理結果に応じて、次回の内視鏡検査の時期が決まります

■ 再発や予防について
ポリープが一度できた方は、再発のリスクが高いため、定期的な内視鏡検査が非常に重要です。

🔹 再発予防のための生活習慣
・食物繊維を多く摂る(野菜・海藻・果物など)
・飲酒・喫煙を控える
・肥満を改善し、適度な運動を続ける
・加工肉・赤身肉の過剰摂取を避ける
・大腸検診を年1回~3年に1回定期的に行う

■ まとめ
✅ 大腸ポリープは 放置するとがんになる可能性がある病変です
✅ 症状がないまま進行することが多いため、早期発見・早期切除がカギです
✅ 内視鏡検査は苦痛を軽減できる方法があり、安全性も高くなっています
✅ ポリープが見つかったら、病理結果に基づく適切なフォローアップが不可欠です

❓よくあるご質問
Q1. 大腸ポリープとは何ですか?
A1. 大腸の粘膜にできる「いぼ状」の良性腫瘍です。
大腸ポリープは大腸の内側の粘膜から突き出るようにできる「できもの」のことで、多くは良性ですが、中にはがん化するタイプもあります。特に【腺腫性ポリープ(せんしゅせいポリープ)】は「前がん病変」として知られています。

Q2. ポリープがあると大腸がんになりますか?
A2. 一部のポリープ(特に腺腫)は放置すると将来的にがん化する可能性があります。
大腸がんの多くは、良性の腺腫性ポリープから10年ほどかけて発展していくと言われています。したがって、内視鏡での早期発見・切除が、がん予防につながります。

Q3. ポリープが見つかったら、すぐに切除が必要ですか?
A3. 大きさ・形・種類により判断しますが、多くはその場で切除可能です。
内視鏡検査中に切除できる大きさ(概ね2cm未満)の場合は、その場で安全に切除(ポリペクトミー)できます。
出血のリスクや形状に応じて、後日入院対応や精密切除(EMR/ESD)が必要なこともあります。

Q4. ポリープ切除は痛いですか?安全ですか?
A4. 内視鏡下で痛みなく、安全に切除できます。
大腸の粘膜には痛みを感じる神経がほとんどないため、ポリープ切除に痛みはありません。
ごくまれに出血や穿孔(腸に穴があく)といった合併症が起こることがありますが、経験豊富な医師による適切な処置でほとんどのケースが安全に行われます。

Q5. 切除したポリープは検査されますか?🩺
A5. はい、すべて病理検査に出して、良性か悪性かを確認します。
切除したポリープは専門の病理医が顕微鏡で詳しく分析します。

Q6. 一度ポリープを取ったら、もう安心ですか?
A6. 残念ながら、また新しくできることがあるため、定期的な内視鏡検査が必要です。
大腸ポリープは「再発」ではなく「新生」(新しくできる)ことが多いです。

特に以下の方は要注意
・ポリープが複数個あった方
・大きさが1cm以上だった方
・家族に大腸がんの人がいる方

→ 原則として1〜3年ごとの定期検査が勧められます。

Q7. 大腸ポリープがあるときに注意する生活習慣は?
A7. 食生活・運動・禁煙が大切です。

ポリープ・大腸がんの予防のために推奨される生活習慣
✅野菜・食物繊維を多く取る
✅肉類・加工食品・アルコールを控える
✅適度な運動(週に3回以上のウォーキングなど)
✅禁煙
✅体重管理(肥満もリスク因子)

Q8. ポリープがあっても症状がないのはなぜですか?
A8. 多くのポリープは無症状です。大腸ポリープは、ある程度の大きさになるまで症状が出にくく、出血・便潜血・下痢・便通異常などの症状が出る頃には進行していることもあります。だからこそ、無症状のうちに内視鏡検査で見つけることが重要です。

Q9. どんな人が大腸ポリープを作りやすいですか?
A9. 40代以降、特に男性に多く、生活習慣や遺伝が関係します。

リスクが高いとされるのは
・50歳以上(年齢とともに増加)
・肉中心の食生活
・飲酒・喫煙習慣
・運動不足
・大腸がんの家族歴がある方

Q10. ポリープを切除した後の注意点はありますか?
A10. 1週間程度は出血予防のための生活指導があります。
・アルコール、激しい運動、長時間の入浴は避ける
・出血リスクのある薬(抗血小板薬、抗凝固薬)の服薬管理
・便に血が混じった場合は早めに受診

続いては胃ポリープについての解説です🩺
■ 胃ポリープとは?
「ポリープ」とは、胃の粘膜から隆起する“できもの”の総称です。イボのように盛り上がった病変で、単発でできることもあれば、複数個ある場合もあります。

■ 胃ポリープの主な種類と特徴
胃ポリープにはいくつかの種類があり、それぞれ原因やリスクが異なります。

① 過形成性ポリープ(Hyperplastic polyp)
・最も多いタイプ(全体の約70%以上)
・慢性的な胃炎、特にピロリ菌感染と関連
・多くは良性
・1cm以下であれば経過観察、1cm以上や出血傾向があれば切除を検討

② 腺腫性ポリープ(Adenomatous polyp)
・前がん病変とされる
・胃がんに進展する可能性があるため、基本的に切除を勧める
・胃の萎縮が強い高齢者に見られやすい

③ 胃底腺ポリープ(Fundic gland polyp)
・プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期使用に関連
・胃酸を抑える薬(胃薬)を長く飲んでいる方に多い
・多くは無症状で良性。通常は切除不要
・ピロリ菌がいない胃にできやすい

④ その他のポリープ
・炎症性線維性ポリープ
・GIST(消化管間質腫瘍)などの粘膜下腫瘍様病変

■ 胃ポリープの主な原因
・ピロリ菌感染(過形成性ポリープ、腺腫性ポリープのリスク)
・慢性的な胃炎
・加齢
・薬剤(PPIなど)
・家族性の疾患(家族性腺腫性ポリポーシスなど)

■ 診断方法:内視鏡検査が中心
胃ポリープの診断には上部消化管内視鏡(胃カメラ)が欠かせません。
・大きさ、色調、形、表面の性状を観察
・必要に応じて組織を採取(生検)して病理検査
・最近では拡大内視鏡やNBIを用いた詳細観察も行われる

■ 治療は必要?それとも経過観察?
胃ポリープが見つかっても、すべてが切除の対象ではありません。

ポリープの種類

切除の必要性

備考

過形成性ポリープ

原則経過観察(1cm以上・出血例は切除)

ピロリ除菌で消えることも

腺腫性ポリープ

切除を推奨

前がん病変のため

胃底腺ポリープ

通常は切除不要

多発しても経過観察が基本

その他(GISTなど)

大きさや内部性状で判断

CTやEUS検査が必要なことも


■ ピロリ菌除菌とポリープ
ピロリ菌陽性の場合は、除菌治療が推奨されます。
・特に過形成性ポリープは、除菌後に縮小・消失することが多い
・胃がんのリスクも下げるため、除菌治療は非常に重要

■ よくある質問(Q&A)
Q1. ポリープがあると胃がんになりやすいですか?
A1. ポリープの種類によります。腺腫性ポリープや背景に萎縮性胃炎がある場合は注意が必要ですが、胃底腺ポリープや過形成性ポリープは比較的リスクが低いです。

Q2. ポリープを放っておいても大丈夫?
A2. 経過観察が可能なケースもあります。ただし、大きさが変わったり、症状(出血・貧血など)が出た場合は再評価が必要です。

■ まとめ:定期的な内視鏡で安心を
胃ポリープはほとんどが良性ですが、種類によっては注意や切除が必要なものもあります。大切なのはポリープの正確な診断と、専門医による適切な管理です。
✅胃カメラは1年に1回程度の定期チェックが安心
✅ピロリ菌の検査・除菌も併せて行うのがベスト
✅気になる症状(胃痛、出血、貧血)があれば早めの受診を

📌 大腸ポリープ、胃ポリープが心配な方へ
当院では、内視鏡検査の全例、内視鏡専門医が施行し、麻酔(鎮静剤)を使用した苦痛の少ない内視鏡検査を行っております。
不安な方、過去にポリープを切除された方、40歳を過ぎた方は、ぜひお気軽にご相談くださいませ💁‍♀️

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