ブログ

受験期に多い急性胃腸炎とその見極め方✏️🔍


こんにちは⛄
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥✨

1〜3月の受験シーズンになると、病院には“ある特徴的な患者さん”が増えます。
それが、急にお腹を壊した受験生です。

「昨日までは普通だったのに、朝起きたら気持ちが悪い…」
「試験が近いのにお腹がグルグルして集中できない…」
「朝だけ吐き気がして学校に行けない…」

こうした相談が、受験期には本当に多くなります。受験シーズンは、心も体も負担が大きくなる時期です。
勉強時間が伸び、睡眠が削られ、食事も簡単に済ませがち…。
さらに、模試や本番が近づくにつれてプレッシャーが高まり、自律神経のバランスも崩れやすくなります😨

そこに追い打ちをかけるように、ちょうどこの時期はノロウイルスをはじめとした感染性胃腸炎が流行のピークを迎えます。
予備校・学校・図書館・自習室など、受験生が集まる場所は“胃腸炎ウイルスにとって好条件”になりやすく、ちょっとした油断で感染するリスクが高まります⚠

つまり受験期は、
「感染症にかかりやすい季節」×「心身の負担がピーク」
という、胃腸トラブルが起きやすい最悪の組み合わせ。

「これはストレスなのか?」
「ウイルスに感染したのか?」
「試験当日に悪化したらどうしよう…」

そんな不安を抱えたまま勉強するのは、集中力にもメンタルにも大きな影響を与えます。
しかし、実は“受験期の胃腸トラブル”には特徴があり、ストレス性なのか、感染性なのか、症状で見極めるポイントがあります📌そして、誤った対処をしてしまうと治るまでに時間がかかり、結果的に受験勉強にも本番のパフォーマンスにも影響してしまいます。

特に、「朝だけ気持ち悪い…でも本番の日が怖い」という受験生にとっては、必ず役立つ内容になっています。
受験は長期戦。体調管理も実力のうち。
この記事が、あなたやお子さんが“本番にベストコンディションで挑むための一助”になれば幸いです。

■ 急性胃腸炎の主な種類
急性胃腸炎と一口に言っても、原因はさまざまです。
受験期に多いのは、「ウイルス性」「細菌性」「ストレス性(機能性)」の3タイプ。
それぞれ症状の出方や悪化のスピードが全く異なるため、違いを知っておくと対処や受診の判断に役立ちます。

① ウイルス性胃腸炎(ノロ・ロタ・アデノなど)
冬の急性胃腸炎の“主役”といえるほど圧倒的に多いタイプです🤢
受験生が自習室・塾・学校など密な環境に長時間滞在するため、この時期は特に広がりやすくなります。

<特徴>
・突然、急激に吐く
・水のような下痢
・腹痛(差し込むような痛み)
・微熱〜37度台(高熱は少ない)
・家族・友人など周囲にも同じ症状が出やすい
・12〜48時間の潜伏期を経て一気に発症

ノロウイルスをはじめとしたウイルスは“感染力が非常に強い”のが特徴です⚠
同じトイレ・机・ドアノブを触るだけでもうつることがあり、受験期の集団生活は感染しやすい条件が揃っています。

<受験生に多い理由>
・夜食やコンビニ食が増え免疫低下
・塾・自習室で長時間同じ空間にいる
・トイレや机の消毒が不十分
・スマホが汚れやすい(盲点)

② 細菌性胃腸炎(サルモネラ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌など)
“食中毒”という言葉のほうが馴染みがあるタイプです。
冬でも生肉・生魚・半調理品・お弁当などが原因になることがあります。

<特徴>
・38〜40℃の高熱
・血便、粘液便
・下痢の回数が多い(持続的)
・強い腹痛
・食後数時間〜数日で発症
・吐き気・嘔吐も見られるがウイルスより少ない場合も

ウイルス性より症状が強く、受験生の場合は体力を一気に奪われるため特に注意が必要です。食事が原因になることが多いため、前日・数日前に食べた物を振り返ると原因に気づけることも。

<受験生に多い理由>
・塾帰りのコンビニ食・総菜の取り扱い
・半生の肉料理、未加熱食品を“スタミナ目的”で食べる
・知らずに常温放置したおにぎりや弁当を食べる
・夜食のラップ放置など管理が雑になりがち

③ストレス性胃腸炎(機能性消化管障害/自律神経の乱れ)
受験期になると実は非常に多いのがこのタイプ。
感染ではなく、緊張やストレスで胃腸の動きが乱れて起こります😫

<特徴>
・朝だけ吐き気が強い
・本番前になるほど悪化
・胃がムカムカするが嘔吐は少ない
・下痢や軟便が続くが、水のような下痢ではない
・食べると少し楽になることも
・家族にうつらない(感染症ではない)

受験の追い込み期は、生活リズムが乱れて自律神経が緊張しっぱなしになるため、胃腸が敏感になります。
「受験期だけ体調を崩す」という学生も多く、症状が繰り返しやすいのが特徴です。

<受験生に多い理由>
・過度な緊張や不安
・睡眠不足
・朝食を抜く習慣
・カフェインの取りすぎ
・運動不足
・“試験当日の朝だけ気分が悪くなる”という典型パターン

■ “感染性”か“ストレス性”かの見極めポイント
急性胃腸炎の症状は、「感染性」も「ストレス性」も共通する部分があります📝
しかし、症状の始まり方・進行スピード・体感の違い・周囲の状況を丁寧に観察すると、実は両者には明確な違いが見えてきます。
特に受験シーズンは、ストレス性の胃腸トラブルが急増するので、誤って“胃腸炎だと思い込む”ケースも非常に多いです。
ここでは、現場でも判断に使われる見極めポイントを細かく整理します📌

【1】発症のタイミングやスピードの違い
◎ 感染性の場合(ノロなど)
・突然、ガツンと始まる
・数時間〜半日で一気に悪化
・「急に吐いた」「急に下痢になった」というケースがほとんど
・直前まで普通に食事や勉強ができていたのに、突然体調が崩れる
→ “急性”という言葉どおり、発症スピードがとても速いのが特徴。

◎ ストレス性の場合
・ゆっくりじわじわ始まる
・朝だけ気持ち悪く、午後には元気になる
・試験の数日前〜当日朝に悪化する
・前日によく眠れなくなり、緊張が強い日に出やすい
波がある時間帯によって違うというのが最大のポイント。

【2】吐き気・嘔吐の「質」が違う
◎ 感染性
・吐き気が強烈で、実際に吐く回数が多い
・食べなくても吐く🤮
・吐いた後もスッキリせず、またすぐ吐き気がぶり返す
・自分で制御できない突然の嘔吐が起きやすい

◎ ストレス性
・「吐き気はあるが、ほとんど吐かない」
・朝だけムカムカし、食べると楽になることも
・不安や緊張が強いタイミングでだけ悪化
・胃が締め付けられるような感覚
実際に吐くかどうかと、心理状況との連動が判断材料。

【3】下痢の特徴の違い
◎ 感染性
・水のような下痢(水様便)💩
・悪臭があり、色が薄いことが多い
・回数が多く、短時間で脱水に向かいやすい
・突然始まり、止まりにくい

◎ ストレス性
・水のようになることは少ない
・軟便〜下痢を行ったり来たり
・食事や緊張に左右されやすい
・起床後や外出前に下痢が集中
水様下痢かどうかで大きく判別可能。

【4】熱の有無
◎ 感染性
・微熱のことが多い
・ノロは37〜38℃程度で済むが、細菌性なら高熱あり🤒

◎ ストレス性
・熱はほぼ出ない
・微熱が出ても短時間で下がることが多い
(※緊張で一時的に体温が上がることも)
発熱=感染の可能性が高い。
ただし受験生は緊張で体温が上がるケースもあるため、症状全体で判断することが大切。

【5】周囲の人に症状が出ているか
◎ 感染性
・家族に次々とうつる
・学校・塾・部活など、同じ環境の人が同時期に体調不良になる
・1人発症すると“連鎖的”に広がりやすい

◎ ストレス性
・家族や友達に広がらない
・体調不良が“自分だけ”
・周囲の感染状況と関係なく起きる
自分だけ”ならストレス性を強く疑うポイント。

【6】症状の“波”で判断する
◎ 感染性
・良くなったり悪くなったりの波が少ない
・1〜2日で一気にピークを迎える
・嘔吐 → 下痢 → 倦怠感 と流れが一定

◎ ストレス性
・日によって良い日・悪い日がある
・朝が最悪で、夕方になると普通に戻る
・試験の日だけ悪化するなど、状況に左右されやすい
波のある胃腸トラブル”はほぼストレス性。

【7】生活状況・心理状態の影響
◎ 感染性
・食べ物・人混み・家庭内接触が原因
・あまり“心理状態”と関係しない

◎ ストレス性
・睡眠不足
・カフェインのとりすぎ
・緊張・不安
・過度のプレッシャー
・朝食を抜く習慣
・塾・模試・本番が近い日ほど悪化
心理と連動しているかを確認すると分かりやすい。

■ 受験生がすぐ受診したほうがいいケース
次の症状がある場合は、感染性で重症化するリスクが高いため受診が安心です。
・水分がほとんど取れない
・半日以上嘔吐が続く
・高熱(38.5℃以上)
・血便
・めまい・ふらつき
・おしっこが極端に減っている
・試験日が近いのに症状が改善しない

特に受験前は、早めに医療機関で相談することで回復を早められる場合もあります🏥

■ 家でできる対処法
① 水分補給は少量ずつ
吐き気があるときは、5〜10分ごとに一口ずつ。経口補水液を優先💧

② 食事は無理せず
・おかゆ
・バナナ
・うどん
・りんごのすりおろし
胃にやさしいものから再開🍎

③ ストレス性が疑われるとき
・まずは寝る
・カフェインを控える
・温かい飲み物で胃腸をゆるめる
・朝のルーティンを固定して安心感を作る
心身の緊張をほぐすだけで劇的に改善することもあります。

■ 予防のポイント
・手洗いを徹底(アルコールだけでは不十分)
・スマホを定期的に拭く(受験生の盲点)
・塾・自習室ではマスク
・睡眠を削らない
・夜食の食べすぎに注意
・無理な追い込みは免疫を下げる
勉強より睡眠のほうが当日のパフォーマンスを左右します

■ まとめ
受験期は、勉強だけでなく体調管理も大事な“勝負の一部”です🔥
急性胃腸炎は、ウイルス性でもストレス性でも、早めの見極めと適切な対処で悪化を防ぐことができます。

ポイントを整理すると、
☑︎嘔吐・下痢・発熱などの強い症状がある場合は、迷わず医療機関へ
☑︎水分補給、食事管理、手洗いなどの基本的な予防を徹底
☑︎睡眠・休憩・緊張緩和など、ストレス対策も忘れずに

この3つを意識するだけで、体調トラブルのリスクはぐっと減ります。
受験本番にベストコンディションで臨むために、体と心のケアも勉強の一環だと考えてください。

最後に「焦らず、無理せず、自分の体を信じること。」
受験生の皆さんが、体調を整えて、持てる力を存分に発揮できますように✨

この記事の監修者

理事長 小林 孝弘

略歴

  • 昭和大学医学部医学科卒業
  • 昭和大学横浜市北部病院
  • 昭和大学藤が丘病院
  • ひたち医療センター
  • 立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニック 院長

資格

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本消化器内視鏡学会内視鏡専門医
  • 日本消化器病学会消化器病専門医
  • 日本消化管学会胃腸科専門医
  • 日本肝臓学会肝臓専門医
  • 日本ヘリコバクター・ピロリ学会
  • ヘリコバクター・ピロリ感染症認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • オンライン診療研修修了
  • 内痔核治療法研究会四段階注射法講習会受講

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本肝臓学会
  • 日本大腸肛門病学会
  • 日本臨床肛門病学会
  • 日本消化管学会
  • 日本ヘリコバクター・ピロリ学会
  • 日本消化器がん検診学会
  • 日本人間ドック学会
TOPへ