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「胃もたれ」の原因・対策・受診の目安💁‍♀️放置してはいけないサインとは?⚠️


こんにちは☀️
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥✨

まだまだ暑い日が続いておりますが、ご体調はいかがでしょうか❓
夏バテ、食欲低下も気になる季節かと思います。

今回は、多くの方が一度は経験したことのある「胃もたれ」について、医学的な視点から詳しく解説していきます💁‍♀️

「最近、食後にお腹が重い。気持ち悪い。」
「胸やけまではいかないけど、なんとなくスッキリしない」
そんな症状に心当たりはありませんか?💦

胃もたれはよくある不調のひとつですが、慢性化し深刻な病気のサインになっていることもあります

今回は…
✅胃もたれの主な原因
✅ストレスが胃にもたらす影響
✅日常生活でできる対策
✅胃にやさしい食材リスト
✅胃もたれで受診すべきタイミング
✅受診前にメモしておくべき5つのポイント
✅受診の目安と内視鏡検査の必要性
について、お話していきます!

■胃もたれとは
「胃もたれ」とは、食後に胃の中に食べ物が長く残っているような不快感重苦しさを感じる症状です。胃の働きがスムーズであれば、食べたものは胃で適度に消化されたあと、腸に送られていきます。しかし、何らかの原因で胃の動きが遅くなったり、胃酸の分泌が乱れたりすると、「食べ物がいつまでも胃に残っているような感覚」が生じ、これが「胃もたれ」となります。

■胃もたれの主な原因
胃もたれの原因はさまざまですが、以下のように大きく3つに分けて考えると理解しやすくなります。

① 食生活や生活習慣の乱れによるもの
・脂っこい食事や食べすぎ🍜
→ 胃に負担をかけ、消化が追いつかなくなります。

・早食い・夜遅くの食事🌙
→ 食べ物が十分に咀嚼されず、胃の消化負担が増大します。また、睡眠直前の食事は胃の動きを妨げ、もたれ感の原因に。

・アルコールや喫煙🚬
→ 胃粘膜を刺激し、胃の動きを鈍くし、胃酸の分泌を乱す原因に。

・ストレスや睡眠不足😪
→ 自律神経のバランスが崩れ、胃の動きが不安定になります。

② 胃の機能低下(機能性ディスペプシア)
最近注目されているのが「機能性ディスペプシア(FD)」です。これは内視鏡などの検査で明らかな異常が見つからないにもかかわらず、慢性的な胃もたれや胃痛、膨満感などが続く状態です🌀

<特徴>
・食後すぐに満腹感がある
・少量の食事でも胃が重い
・胃のあたりが痛い・張る感じがする

ストレスや胃の運動機能の低下、胃酸分泌の異常などが関連していると考えられています。

③ 胃や十二指腸の病気が原因の場合
胃もたれが続く場合、消化器系の病気が隠れていることがあります。

<代表的な疾患>
・慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ菌によることも)
・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
・逆流性食道炎
・胃ポリープ・胃がん

⚠️とくに中高年以降で胃もたれが続く場合は、胃がんの初期症状の可能性もあるため、注意が必要です!

ストレスが胃にもたらす具体的な影響
・胃酸分泌の異常
ストレスで胃酸の分泌量が増えたり、逆に減ったりして胃の粘膜にダメージを与えやすくなります。

・胃の動き(蠕動運動)の低下
ストレスは胃の筋肉の動きを鈍らせ、胃の内容物がスムーズに消化管へ送られなくなり、胃もたれや膨満感を引き起こします。

・胃粘膜の防御機能の低下
ストレスにより胃の粘膜を守るバリア機能が弱まるため、胃炎や胃潰瘍ができやすくなります。

🗝自律神経のバランスが鍵!
・自律神経には「交感神経(緊張・興奮モード)」と「副交感神経(リラックスモード)」があります。
・ストレスがかかると交感神経が優位になり、胃の消化活動が抑制されやすくなります。
・リラックス状態のときは副交感神経が働き、胃の動きや消化が促進されます。

💛心と体はつながっている!
・精神的なストレスだけでなく、過労や不安、緊張も胃に悪影響を及ぼします。
・逆に胃の不調が精神的な不安やイライラを引き起こし、悪循環になることもあります。

💛ストレス対策で胃もたれ予防!
・深呼吸や軽い運動、趣味の時間を持つなどリラックスを心がけることが重要。
・十分な睡眠やバランスの取れた食事もストレス軽減に効果的。

生活の中で「自分なりのストレス発散法」を見つけておくことが大切です。

■自分でできる胃もたれ対策
胃もたれを予防・改善するには、日常生活の見直しが非常に大切です。以下のポイントを意識してみましょう!

❶食事の工夫
・少量ずつ、ゆっくりよく噛んで食べる
・脂っこい料理や揚げ物は控える
・刺激物(辛い物、アルコールなど)を減らす
・夜遅くの食事は避け、就寝の2時間前までに済ませる

❷ストレス対策・自律神経の安定
・十分な睡眠をとる
・適度な運動(ウォーキングやストレッチ)を習慣化する
・湯船に浸かってリラックスする

❸お薬の活用
受診を検討してください🏥

🍚 胃にやさしい食材リスト(具体例)
◆ 積極的にとりたい食材

食材カテゴリ

食材例

ポイント

主食

おかゆ、白ごはん、うどん、そうめん

柔らかく、水分が多いものが◎

たんぱく質

白身魚(鯛・タラ)、鶏ささみ、豆腐、卵(半熟)

脂の少ない調理で

野菜

にんじん、大根、かぶ、じゃがいも、キャベツ

よく煮て繊維を柔らかく

果物

バナナ、りんご(すりおろし)、梨

酸味が少ない果物がベター

飲み物

白湯、麦茶、ほうじ茶

刺激のない常温〜ぬるめが◎


◆ 控えたい・避けたい食材

カテゴリ

食材例

理由

脂っこい料理

揚げ物、ラーメン、カレー

胃の消化に時間がかかり、もたれやすい

繊維の多い野菜

ごぼう、れんこん、たけのこ、海藻類

消化に時間がかかり胃に負担

刺激物

唐辛子、わさび、からし、にんにく、生姜

胃粘膜を刺激

カフェイン

コーヒー、緑茶、紅茶

胃酸分泌を促進する

アルコール・炭酸

ビール、日本酒、炭酸飲料

胃を刺激し、ガスもたまりやすい


リストにまとめてみると、胃に刺激になりやすい食材を多く摂っているかと思いますがいかがでしょうか?

💡胃にやさしい食生活を続けるためのポイント
・無理に「完璧な胃に優しい食事」にこだわりすぎず、できることから少しずつ取り入れるのが継続のコツです。
・体調が戻ってきたら、少しずつ普段の食事に戻すようにしましょう。
・「今日は胃の調子が悪そうだな」と感じたら、1食だけでも胃に優しい献立に切り替えるのも効果的です。

🏥胃もたれで受診すべきタイミング
<胃もたれのセルフチェックポイント>

チェック項目

該当する?

胃もたれが週に2回以上ある

食後すぐに満腹感がある

胃が重い感じが続く

食欲が落ちてきた

体重が減ってきた

40歳以上で胃の検査を受けたことがない

2つ以上当てはまる方は、一度消化器内科での相談をおすすめします

⚠また次のような症状がある場合も、早めの受診が必要です。
・胃もたれが1週間以上続いている
・体重減少がある
・食欲不振吐き気がある
・吐血黒い便(消化管出血の可能性)
・家族に胃がんの既往がある
・市販薬を使っても改善しない

これらの症状がある場合は、消化器内科または胃腸科を早めに受診しましょう。

✅ 受診前にメモしておくべき5つのポイント
① 症状の内容と経過
・どのような症状があるか?(例:胃の重さ、張り、痛み、吐き気など)
・いつから始まったか?(例:1週間前から毎食後など)
・どのくらいの頻度・タイミングで起こるか?
・症状が出るきっかけは?(食事、ストレス、空腹時など)

📝 例:「3週間前から夕食後に胃が重く感じる。脂っこいものを食べた後に特に症状が強い」

② 食生活・生活習慣の傾向
・最近の食事内容(暴飲暴食、外食、脂っこい食事が多い等)
・アルコール・カフェインの摂取状況
・睡眠時間やストレスの状況
・便通の状態(便秘・下痢の有無)

📝 例:「週5日外食で、飲酒はほぼ毎日。最近は寝不足も続いている」

③ 服用している薬・サプリメント
・現在内服中の薬(病院処方・市販薬含む)
・特に胃に負担をかけやすい薬(鎮痛剤・ステロイド・鉄剤など)
・健康食品やサプリメントの内容(漢方や整腸剤含む)

📝 例:「肩こりでロキソニンを1日1回、2週間ほど服用」

④ 既往歴・家族歴
・過去にかかった病気(胃潰瘍、逆流性食道炎、ピロリ菌感染など)
・胃カメラやピロリ菌検査の経験(いつ・結果)
・家族に胃がん・胃潰瘍・大腸がんなどの人がいるか

📝 例:「10年前にピロリ菌の除菌歴あり。父が60代で胃がん」

⑤ 気になっていること・質問したいこと
・「胃カメラが不安」「薬に頼りたくない」「市販薬との違いを知りたい」など
・小さな疑問でも、あらかじめメモしておくと相談しやすくなります

📝 例:「胃カメラは鼻からと口から、どちらが楽か知りたい」

❓内視鏡検査は必要なのか
胃もたれの原因が明らかでない、または他の病気の疑いがある場合、上部消化管内視鏡(胃カメラ)検査が推奨されます。

胃カメラでわかること
・胃潰瘍・胃炎・ポリープ
・ピロリ菌感染の有無
・早期の胃がんの発見
・逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニア

👨‍⚕️内視鏡専門医からのアドバイス
「胃カメラは怖い」「つらい検査だと思っている」方が多いですが、最近は鎮静剤を使った苦痛の少ない検査が主流になってきています✨年齢や症状によっては、一度しっかり検査しておくことで安心にもつながります。

内視鏡については以前のブログ記事に書いていますので、ぜひご覧ください!
→「内視鏡検査が不安な方へ〜よくある誤解とその真実☀️〜

📌まとめ:胃もたれは体からの大事なサイン
胃もたれは、単なる一時的な不調で済む場合もありますが、背景には生活習慣の乱れや、深刻な病気が隠れている可能性もあります。「よくあることだから」と自己判断で放置せず、以下のように対応していきましょう。

📢最後にお伝えしたいこと
内視鏡クリニックとして日々多くの患者さんを診ている中で、「もっと早く来てくれたら…」と感じるケースは少なくありません。胃の症状は「気のせい」「疲れのせい」と思われがちですが、早期発見・早期治療ができれば、防げる病気もたくさんあります。気になる胃もたれが続く場合は、無理せず、気軽に医療機関へ相談しましょう!ご自身やご家族の健康管理の一助になれば幸いです💁‍♀️

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