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「胃が下がっている」と言われたことがある方へ💁‍♀️ ~胃下垂の本当の姿~


こんにちは🌸
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥✨


突然ですが・・・
「胃が下がっているね」と言われたことはありませんか?

健康診断のときや、胃の検査を受けたときに言われてドキッとした方もいるかもしれません!
“胃下垂”という言葉には、なんとなく「不健康そう」「太れない体質」「胃が弱い」といったネガティブなイメージがつきまといます…🌧️
しかし、実際のところ胃下垂とはどのような状態なのでしょうか?そして、胃下垂とは病気なのでしょうか?

そこで今回は、胃下垂という体の状態について、わかりやすく解説をしていきます☝🏻

■胃下垂とは一体どのような状態
まず、私たちの胃は、横隔膜のすぐ下、みぞおちのあたりに位置しています。
食事をすると膨らみ、空腹時にはしぼんでいる臓器です🍚
胃下垂とは、その胃が「本来よりも下の位置にある状態」を指します。
医学的には、「胃の下端が骨盤のあたり(腸骨稜)よりも下に位置する状態」を胃下垂と定義します📝

▼ 胃の位置のイメージ
・正常な胃:みぞおち〜おへその上くらいまで
・胃下垂の胃:胃の下部がへそより下、場合によっては骨盤の中にまで及ぶ
胃下垂の場合、胃の形が重力に引っ張られて“たれさがる”ようになっているのが特徴です。

■「痩せている人=胃下垂」は本当
「痩せてるから胃下垂なんじゃない?」
そんなふうに言われたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、胃下垂は痩せ型の方、とくに細身の女性に多く見られる傾向があります🧍🏻‍♀️
これは、脂肪や筋肉といった“内臓を支えるクッション”が少ないことで、胃などの臓器が本来の位置よりも下がりやすくなるためと考えられています👀また、腹筋やインナーマッスル(体幹の筋肉)が弱いと、重力の影響を受けやすくなり、胃が下へ引っ張られてしまうこともあります。

とはいえ、痩せている=必ず胃下垂というわけではありません🙅🏻
実際には、太っている方でも胃下垂になることはあります。たとえば、極端なダイエットを繰り返した方や、姿勢が悪い方、筋力が落ちている中高年の方など、体型にかかわらず胃下垂になる可能性は十分にあるのです🌀

つまり、「胃下垂=痩せている人の特徴」というのは、あくまで“そのような傾向がある”というだけの話であり、すべての人に当てはまるわけではありません!

大切なのは、「体型」よりも「胃の位置や働きに不調があるかどうか」です。

■胃下垂は病気なの
ここは多くの方がいちばん気になるポイントかもしれません💡
健康診断やバリウム検査で「胃が下がってますね」と言われると、
「えっ、何かの病気なの?」「治さないといけないの?」と不安になりますよね・・・

結論から言えば…
胃下垂そのものは、必ずしも“病気”とは限りません!

■胃下垂=“位置の異常”であり、“機能の異常”ではない
胃下垂とは、「胃の下の部分(幽門部)が、通常よりも下に位置している状態」のことを指します。
つまり、“見た目”の問題であり、消化や胃の働きに問題がなければ、病気として治療する必要はありません❗

実際、胃の位置が低くても以下のような方も多くいらっしゃいます。
・食事が問題なく取れる
・食後の不快感もない
・便通も良好で、日常生活に支障がない
このような場合は、「体質の一つ」「内臓の個性」として判断されることがほとんどです。

しかし、「症状」がある場合は話が別です⚠️
胃下垂に加えて、胃や腸の働きが低下していると、ただの“位置の異常”ではなく、“機能的な問題”が生じてくることがあります。

📝 胃下垂にともないやすい代表的な症状
胃が下がることで、重力の影響により周囲の臓器を圧迫したり、胃の出口(幽門)の動きが鈍くなったりするため、次のような不調が起こりやすくなります💧

●食後の膨満感・胃もたれ
・食べた後に胃がパンパンに張る
・すぐに胃が重く感じて動けない
・脂っこいものや量を食べると長時間もたれて苦しい
これは、下がった胃が正常な動きをしにくくなり、消化が遅れるために起こる症状です。

●食欲不振・少量で満腹になる
・「そんなに食べてないのに、お腹いっぱい」
・食べた後、なかなか空腹にならない
・栄養が足りず、体重がどんどん減ってきた
この状態は、胃に食べ物がとどまりやすくなっているサインかもしれません。

●下腹部の張り感・不快感・ぽっこり感
・おへその下がポッコリふくらんで見える
・ガスがたまっているような感覚
・トイレに行ってもすっきりしない
これは、下がった胃が腸を物理的に圧迫してしまうことで、ガスが溜まりやすくなっていると考えられます。

●便秘やおならが増える(ガス腹)
・便秘が続く、便が出てもすっきりしない
・おならがたまりやすい・臭いがきつい
・便通のリズムが乱れて、お腹が重たい
これは、胃の動きだけでなく、腸のぜん動運動(内容物を押し出す働き)も低下している可能性があります。

■胃下垂から進行する可能性がある「機能性の病気」
胃下垂の方がこれらの症状を抱えている場合、次のような診断名がつくことがあります。

◆胃アトニー(胃無力症)
・胃の筋肉そのものが弱っている状態
・消化に時間がかかり、食べ物が胃に長く滞在
・膨満感や食欲低下を引き起こす

◆機能性ディスペプシア(FD)
・内視鏡や検査では異常が見つからないのに、胃の不調が続く状態
・ストレスや自律神経の乱れが関係することも
・「慢性的な胃もたれ」「少し食べると苦しい」などが代表的

👉 こうした状態になると、日常生活に支障をきたすケースもあり、治療が必要です。

胃下垂だけなら心配しすぎなくて大丈夫。でも…無症状であれば基本的に問題はありません。
ただし、「なんとなくお腹の調子がずっと悪い」「以前より食べられなくなった」といった不調がある場合、胃下垂が一因になっている可能性もあります。

当院では、内視鏡検査やエコー検査を通じて、胃の動きや状態を丁寧に評価し、必要に応じて機能性疾患へのアプローチ(お薬・生活指導)を行っております。症状がある方は、我慢せずにぜひ一度ご相談ください🌼

「胃下垂」と聞いて不安になってしまう方は多いですが、それが単なる構造の違いなのか、機能の問題を伴っているのかを見極めることがとても大切です🌟

✅ 胃が下がっているけど元気に食べられている → OK!
✅ 胃が下がっていて、食後がつらい・お腹が張る → 要チェック!

気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください!
症状に合わせた検査や対策を一緒に考えていきましょう♪

■胃下垂と「胃アトニー」の違いとは
「胃下垂」と「胃アトニー(胃無力症)」は、どちらも“胃の不調”として語られることがありますが、実際はまったく別の状態であり、意味合いも大きく異なります。

胃下垂(いかすい)とは?
➡ 胃の位置が通常よりも下がっている状態を指します。

・外見的な特徴や構造上の変化がメイン
・多くは体質や姿勢、筋力の低下などが原因
・症状がなければ、治療の必要はない場合がほとんどです
・いわば「胃が“そこにある”だけ」の話

胃アトニー(胃無力症)とは?
➡ 胃の筋肉の働きが弱くなり、食べ物をスムーズに送り出せなくなる状態を指します。

・胃の「見た目」ではなく、“動き”の問題(機能障害)
・食べ物が長時間胃にとどまり、胃もたれや膨満感、食欲低下などの症状が起こりやすい
・胃の筋肉や神経の働きが関係しており、ストレスや自律神経の乱れが引き金となることもある

胃下垂は見た目の変化、胃アトニーは働きの異常
簡単に言うと…

区別点

胃下垂

胃アトニー

主な問題

胃の「位置」

胃の「機能」

原因

体質、筋力低下、姿勢など

筋力低下、神経・自律神経の乱れ、加齢など

主な症状

無症状のことが多い

食後のもたれ、胃の張り、食欲不振など

治療の有無

症状がなければ不要

症状に応じて治療が必要

🔶 胃下垂でも、胃の動きに問題がなければ心配なし!
実際には、胃下垂だけではほとんど症状が出ない方も多くいらっしゃいます。
そのため、胃の位置が下がっているからといって、すぐに病気と考える必要はありません!

しかし、胃下垂+胃アトニー=要注意
ただし、胃下垂の方が「胃アトニー」も併発している場合には話が変わります。消化機能が落ち、日常生活に支障をきたすような症状(食欲不振・膨満感・便秘など)が出てきた場合、きちんとした診断と治療が必要になるケースもあります。

■胃下垂の原因とは
胃下垂の背景には、いくつかの要因が考えられます。

✅ 先天的な体質
もともと筋肉量が少なく、内臓が支えにくい体質の方に多いです。

✅ 急激なダイエットや過度の痩せ
脂肪や筋肉が急に減ると、内臓の位置が下がりやすくなります。

✅ 猫背・姿勢の悪さ
長時間の前かがみ姿勢が内臓を下へ押し込んでしまう要因になります。

✅ 加齢や筋力低下
年齢とともに腹筋が弱くなると、内臓が重力に逆らえなくなります。

■胃下垂による不調への対策
胃下垂そのものに対しては「元の位置に戻す治療」はありませんが、日常生活の中で症状の軽減・改善は可能です👌🏻
①食事はこまめに、よく噛んで
・一度にたくさん食べるより、1日5〜6回に分けて少量ずつ食べる
・消化のよいものを選ぶ
・ゆっくり、よく噛んで食べる

②姿勢を意識する
・食後すぐに横にならない
・座るときは背筋を伸ばし、猫背に注意
・適度に体を動かして腹部の血流を促す

③腹筋・体幹トレーニング
・内臓を支える筋肉(腹直筋・腹横筋)を鍛える
・いきなり激しい運動ではなく、寝ながらできる簡単な体幹トレーニングからでも

④ストレスケア
・胃腸はストレスにとても敏感
・睡眠をしっかりとり、リラックスできる時間を意識的に作る

■胃下垂が気になるとき、何科に相談すれば
胃の不調や胃下垂が疑われる場合、まずは消化器内科を受診するのがおすすめです★
内視鏡検査や腹部エコーなどで、胃の位置や形、動きなどを詳しく調べることができます。
「胃下垂っぽいけど、大丈夫かな?」「食後の膨満感がつらい」という方は、一度医師に相談してみましょう!

■最後に 〜「胃下垂」はあなたの個性かもしれません〜
胃下垂という言葉は、不安をあおるようでいて、実は“病気”とは限らない体の個性です。
しかし、そこに不調が伴っているなら、体からのサインとして耳を傾けてみましょう🆘

胃腸はとても繊細な臓器です。
日々の生活や食事、姿勢、ストレスの影響を大きく受けます。
だからこそ、少しの工夫や習慣の見直しで、症状が改善することも少なくありません。

また、「胃が下がってる」と言われたことがある方も、過剰に心配する必要はありません。
自分の体と丁寧につきあうことを意識して、気になる症状があるときは、ぜひ当院にご相談くださいませ🌱

この記事の監修者

理事長 小林 孝弘

略歴

  • 昭和大学医学部医学科卒業
  • 昭和大学横浜市北部病院
  • 昭和大学藤が丘病院
  • ひたち医療センター
  • 立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニック 院長

資格

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本消化器内視鏡学会内視鏡専門医
  • 日本消化器病学会消化器病専門医
  • 日本消化管学会胃腸科専門医
  • 日本肝臓学会肝臓専門医
  • 日本ヘリコバクター・ピロリ学会
  • ヘリコバクター・ピロリ感染症認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • オンライン診療研修修了
  • 内痔核治療法研究会四段階注射法講習会受講

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本肝臓学会
  • 日本大腸肛門病学会
  • 日本臨床肛門病学会
  • 日本消化管学会
  • 日本ヘリコバクター・ピロリ学会
  • 日本消化器がん検診学会
  • 日本人間ドック学会
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