
こんにちは☀️
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥✨
今回は、誰もが一度は経験したことのある「水様便」について、わかりやすく解説していきます。
「水のような下痢が止まらない…」🌀
「トイレに行ってもまたすぐに行きたくなる」🌀
「お腹は痛くないのに、便がずっと水っぽい」🌀
そんな症状が続くと、不安になりますよね。
今回は、
✅そもそも「水様便」ってなに❓
✅水様便の原因は?考えられる代表的な5つのタイプ
✅水様便が続いたら何科を受診する❓
✅水様便の治療法
✅水様便が出たときのセルフケア・食事のポイント
などについて、詳しく丁寧に説明していきます。ぜひ最後までご覧ください🤗
■そもそも「水様便」ってなに❓
水様便(すいようべん)とは、その名の通り「水のような状態の便」のことを指します。
通常の便は、適度な水分を含みつつも形があるものです。しかし、水様便は水分がほとんどで、形がまったくなく、シャーッと出るような便になります。
いわゆる「下痢」の中でも、特に水っぽい状態を「水様便」と呼びます。
排便回数は❓
一般的には、1日に3回以上の水様便が続く場合、下痢として病的に評価すべき状態と考えられます。とくに1日に5回以上の排便や、1回あたりの量が多い場合は、体内の水分や電解質が急激に失われて脱水症状につながる危険性もあります。
■水様便の原因は?考えられる代表的な5つのタイプ
水様便の原因は非常に多岐にわたりますが、大きく分けて、以下のような原因が考えられます。
🔷1. 感染性腸炎(ウイルスや細菌)🦠
※もっともよく見られる原因です。
・ノロウイルス、ロタウイルス
→冬に多く、水様便+嘔吐が典型
・カンピロバクター、サルモネラ、大腸菌(O157など)
→細菌性腸炎で、しばしば血便や発熱を伴います。
感染してから数時間〜数日で急に発症することが多く、急性下痢症の典型例です。
🔷 2. 薬剤性の下痢💊
以下のような薬を服用している場合、水様便が出ることがあります。
・抗生物質(腸内の善玉菌も殺してしまうため)
・マグネシウム製剤(便をやわらかくする作用)
・抗がん剤や一部の降圧薬
もし薬の服用後に下痢が始まった場合は、必ず主治医に相談してください。
🔷 3. 過敏性腸症候群(IBS)🗯️
ストレスや生活リズムの乱れによって、腸の動きが過敏になる病気です。
・朝の通勤前や試験前など、緊張したときに下痢になる
・痛みがなくても、急に便意を感じて水様便が出る
このような症状の方は、IBSの「下痢型」の可能性があります。
🔷 4. 慢性腸疾患(炎症性腸疾患・吸収障害)
・潰瘍性大腸炎・クローン病
→慢性的な炎症により水様便や粘血便が続きます。
・セリアック病、小腸性下痢
→栄養の吸収がうまくできず、下痢が長引きます。
このような場合、数週間以上にわたって水様便が続き、体重減少や貧血などの症状を伴うことがあります。
🔷 5. 大腸がん・ポリープによる便通異常
少し意外かもしれませんが、高齢者の水様便には、大腸の病気が隠れていることがあります⚠️
・がんが腸を狭くし、細くて水っぽい便になる
・ポリープによる炎症で下痢様の症状が出る
このような場合、内視鏡検査(大腸カメラ)による精査が重要になります。
■水様便が続いたら何科を受診する❓
まずは消化器内科が適切です🧐
特に以下の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
・3日以上、水様便が止まらない
・発熱、嘔吐、血便がある
・意識がもうろうとする、立ちくらみがある(脱水のサイン)
・高齢者、乳幼児、持病のある方の持続する下痢
診察では、必要に応じて、
・便の検査(培養、ウイルスチェック)
・血液検査
・腹部エコー
・大腸内視鏡(症状が慢性的な場合) などを行います。
■ 水様便の治療法:まずは原因を見極めることが大切🩺
水様便が出たとき、「早く止めたい」と思うあまり、市販の下痢止めを飲んで済ませようとする方も多いかもしれません。
ですが実は、水様便の治療には、“これをすればOK”という万能薬は存在しません❌️
むしろ、原因を誤って対処してしまうことで、症状を悪化させてしまうケースもあるのです。
ここでは、水様便の主な原因ごとに、適切な治療法をわかりやすくご紹介します☺️
【1】感染性腸炎が原因の場合
ノロウイルスや細菌感染などによる水様便は、体が異物(ウイルスや毒素)を排出しようとしている状態です🦠
▶️ 主な治療のポイント
・脱水予防が最優先:経口補水液やスポーツドリンクでこまめに水分補給💧
・基本は自然回復を待つ(ウイルス性の場合)
・細菌感染では抗生物質を使うことも(※医師の判断による)🦠
・市販の下痢止めは原則NG:ウイルスや菌が体に残ってしまう危険性があります⚠
【2】薬の副作用が原因の場合
下痢を引き起こしやすい薬としては、抗生物質やマグネシウム製剤、抗がん剤などが挙げられます。
▶️ 治療のポイント
・原因となる薬を中止・変更できるか医師と相談🏥
・整腸剤で腸内バランスを回復させる
・軽度の下痢であれば、経過観察することも多い
薬による水様便は、薬の調整で改善することが多いため、自己判断で薬をやめず、必ず医師に相談しましょう🩺
【3】過敏性腸症候群(IBS)の場合
IBSはストレスや自律神経の乱れが関与しているため、一時的な症状の緩和だけでなく、生活習慣や心のケアも大切になります🚨
▶️ 治療のポイント
・整腸剤、下痢止め、抗コリン薬などの処方
・ストレスマネジメント(睡眠・運動・リラックス法)
・「低FODMAP食」など、食事の見直し
・必要に応じて漢方薬やカウンセリング治療も選択されます
【4】慢性疾患が原因(潰瘍性大腸炎、クローン病 など)
これらは慢性の炎症性腸疾患であり、一時的な対症療法ではなく、専門的・継続的な治療が必要です。
▶️ 治療のポイント
・抗炎症薬(5-ASA製剤など)やステロイド
・生物学的製剤による免疫抑制治療
・食事指導や栄養療法
・定期的な内視鏡検査による経過観察
【5】原因不明・高齢者の便通異常・大腸がんの可能性がある場合
特に50代以上の方で、1〜2週間以上水様便が続く場合には、大腸ポリープやがんが背景にあることも。この場合、まずは大腸内視鏡検査(大腸カメラ)での精査が必須です。
▶️ 治療のポイント
・ポリープがあれば切除
・がんの場合は手術・抗がん剤などの専門治療
・便秘・下痢を繰り返す「機能性便通異常」も視野に入れた治療方針
📌 下痢止めは使っていいの? ➡ 医師に相談を
「水のような便が止まらない!」というとき、市販の下痢止め(ロペラミドなど)を使いたくなるかもしれません。
しかし、感染性腸炎では逆効果になる場合があるため、使用には注意が必要です⚠️
✅ 自己判断で使うのではなく、医師と相談してから使用しましょう。
✅ 安全に使える状況であれば、止痢薬や整腸剤が処方されることもあります。
🧭 治療の最初のステップは「見極めること」
水様便は「ただの下痢」ではなく、体が出している大事なサインです⭕️
・一時的な下痢か?
・何日も続いているか?
・発熱や血便があるか?
・食事や薬との関連は?
これらを見極めることで、適切な治療方針が立てられます。
水様便が【3日以上続く場合】や、【体調に異変を感じる場合】は、我慢せずに消化器内科を受診してください。
特に中高年の方は、大腸カメラによる精密検査も非常に重要です👨⚕️
■水様便が出たときのセルフケア・食事のポイント💡
下痢や水様便のときは、腸の粘膜がダメージを受けている状態です。
そのため、食事内容はとても重要です🍽️
以下では、症状の段階ごとに分けて、「避けるべき食材」「おすすめの食材・調理法」「注意点」を詳しく解説していきます。
🔵ステージ1:水様便が出始めた直後(急性期)
⭐️基本方針
・無理に食べない
・まずは水分補給を最優先
・腸を休めて、炎症を落ち着かせる
✅摂ってよいもの(少量ずつ)
・白湯
・経口補水液(OS-1など)
・薄めたスポーツドリンク(※糖分に注意)
・番茶、麦茶(ノンカフェイン)
・具なしスープ(コンソメ、にぼし・昆布だし)
❌ 避けたいもの
・牛乳・乳製品(腸に負担)
・カフェイン飲料(コーヒー、緑茶など)
・炭酸飲料・果汁100%ジュース(胃腸を刺激)
・アルコール(脱水を悪化させる)
・食事全般(無理して食べると悪化)
🟡ステージ2:症状が少し落ち着いてきた(回復初期)
⭐️基本方針
・少量ずつ、消化の良い食べ物を
・油分・繊維は控えめに
・よく噛んで食べる(腸の負担を軽減)
✅ おすすめの食事例
|
種類 |
食材例 |
補足 |
|
炭水化物 |
おかゆ、軟らかめの白ごはん、煮込みうどん |
塩分控えめで調理 |
|
野菜 |
にんじん、大根、かぼちゃ、じゃがいも(よく煮たもの) |
食物繊維が少なめで優しい野菜 |
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タンパク質 |
豆腐、白身魚(タラ・カレイなど)、ささみ |
油を使わず、蒸す・茹でる |
|
スープ |
野菜スープ(具をよく煮込む)、鶏出汁スープ |
薄味で温かく |
❌ 避けたいもの
・食物繊維が多い野菜(ゴボウ、セロリ、ブロッコリー)
・辛い・刺激の強いもの(カレー、キムチ、唐辛子)
・油っこい料理(揚げ物、中華料理、ラーメン)
・生野菜・果物(特に柑橘類)
🟢ステージ3:水様便が治まり、通常に近い便になってきたら(回復後期)
⭐️基本方針
・通常食へ少しずつ戻す
・食物繊維や乳製品は段階的に取り入れる
・食後に下痢が再発しないか様子を見る
✅ おすすめの追加食材
・バナナ(腸にやさしく、整腸作用あり)
・ヨーグルト(プレーン・無糖)※少量から
・柔らかいパン(トーストなど)
・みそ汁(具材はやわらかく)
・オートミール(おかゆ状に調理すれば消化に良い)
❌ 引き続き注意が必要なもの
・カフェイン飲料、アルコール
・ファストフード、スナック菓子
・冷たい飲み物(アイス・氷入り飲料など)
・甘味の多いお菓子(腸内環境を悪化させる)
⚠️ 食事に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 果物はいつから食べてもいいの?🍎
→ 回復後期に、バナナ・りんごのすりおろしなどからスタートが安心です。
柑橘類(オレンジ、グレープフルーツ)は胃腸への刺激が強いため、控えめにしましょう。
Q2. 食物繊維は腸に良いのでは?🍚
→ 急性期・回復初期は控えましょう。
確かに食物繊維は腸内環境に良いのですが、腸が荒れているときは「繊維の刺激」が強く、かえって悪化の原因になることがあります。
Q3. ヨーグルトや乳製品はどうですか?🥛
→ 少量から始めて、体の反応を見ることが大切です。
乳糖不耐症の方は特に下痢が悪化しやすいため、無理に摂取しないよう注意しましょう。
~まとめ~📝水様便は「一時的」か「慢性的」かがカギ
水様便は多くの場合、感染や一過性の腸のトラブルで自然に治ることもあります☘
しかし、1週間以上続く水様便や、体重減少・血便・発熱などの症状を伴う場合は、何かしらの病気が隠れている可能性もあるため、油断せずに早めに消化器内科を受診してください👨⚕️
当院でも、「痛くない・辛くない・恥ずかしっくない」内視鏡検査やプライバシーに配慮した診療を心がけております。
お困りの方はお気軽にご相談くださいませ😊







