〜「慢性胃炎」と言われたら?
まずやるべきこと・自力でできる対策・食事やストレスとの関係まで徹底解説!〜
胃の不調、放っていませんか?👨🏻⚕️🌀
「最近、なんとなく胃が重い」「食後にムカムカする」「健診で“慢性胃炎”と言われたけど、どうすればいいの?」
そんなお悩みを持っている方は少なくありません。
胃炎は、多くの人が一度は経験する身近な病気ですが、慢性化してしまうと知らないうちに体に負担をかけてしまうこともあります。
この記事では、「慢性胃炎」と診断されたら最初にやるべきことから、症状のセルフチェック、自分でできる改善方法、注意すべき食事・飲み物、そしてストレスとの関係まで、わかりやすく解説します👆
慢性胃炎とは?わかりやすく解説します!🧐🩺
「慢性胃炎」という言葉を聞くと、なんとなく胃の調子が悪いのかな…と思われる方が多いかもしれません。
しかし、「そもそも慢性胃炎ってなに?」「何か気をつけるべきことがあるの?」と、詳しくはよく知らないという方も多いのではないでしょうか?
■慢性胃炎とは?
慢性胃炎とは、胃の粘膜に長期間炎症が続いている状態です。
胃の内側には「粘膜」という膜があり、食べ物や胃酸から胃を守っています。この粘膜が弱って炎症を起こすと、胃の働きが悪くなり、さまざまな不快な症状があらわれます。
急性胃炎が「一時的な炎症」なのに対して、慢性胃炎は何ヶ月〜何年もかけてじわじわと進行するのが特徴です。
急性胃炎のように突然激しい痛みが出ることは少なく、自覚症状があまりないまま進行するケースもあります。
長期的に放置すると、胃の粘膜が委縮してしまい、「萎縮性胃炎」と呼ばれる状態になることも。これが進行すると胃がんのリスクが高まるため、早期の対策が大切です。
✔️代表的な症状
・胃の痛み・不快感
・食後のもたれ
・胃のムカムカ
・食欲不振
✔️ 原因
・ピロリ菌の感染
・ストレス
・暴飲暴食
・喫煙・過度なアルコール
・刺激物(辛いもの、コーヒーなど)の摂りすぎ
慢性胃炎と診断されたら?まずは「ピロリ菌検査」💊
慢性胃炎と診断されると、よく「ピロリ菌の検査を受けましょう」と言われます。
でも、なぜピロリ菌の検査が必要なのでしょうか?ただの胃炎なのに、菌の検査なんて本当にいるの?と思う方も多いかもしれません。
ここでは、ピロリ菌検査の必要性について、わかりやすく説明します。
■ピロリ菌って何?
ピロリ菌( 正式には「ヘリコバクター・ピロリ」 )は、胃の中にすみつく細菌です。
この菌はとても珍しく、強い酸性の胃の中でも生きられるという特徴を持っています。
感染すると胃の粘膜にじわじわと炎症を起こし、それが何年も続くことで「慢性胃炎」になります。
■なぜ検査が必要?
ピロリ菌検査の必要性について、理由は大きく3つあります。
❶慢性胃炎の主な原因がピロリ菌だから
実は、日本人の慢性胃炎の多くはピロリ菌によるものだと言われています。
特に中高年では、子どものころに感染して長年気づかずに過ごしているケースが多く見られます。
胃の不調が長引いているなら、その背景にピロリ菌の存在がある可能性が高いのです。
❷放っておくと胃がんのリスクが上がるから
ピロリ菌が胃にすみついていると、粘膜にずっと炎症を与え続けます。
その結果、胃の粘膜が薄くなる「萎縮性胃炎」や「胃潰瘍」などにつながり、将来的には胃がんのリスクが高くなることが知られています。
逆に言えば、ピロリ菌を早めに見つけて除菌すれば、胃がんのリスクを下げることができるのです。
❸除菌することで胃炎が改善することが多いから
ピロリ菌に感染している場合、薬で除菌治療をすることで胃炎が改善しやすくなると言われています。
除菌は、1週間ほど薬を飲むだけで完了する治療です。
胃薬を飲み続けるより、根本的に菌を退治してしまう方が、長い目で見て胃の健康を保つためには効果的です。
■ピロリ菌の検査方法は?
検査は意外と簡単で、次のような方法があります。
・呼気検査(息を調べる)
薬を飲んだ後に息を袋に吹き込むだけ。検査時間は短く、負担も少なめです。
・血液検査
抗体を調べて感染の有無をチェックします。
・便検査や尿検査
最近では自宅でできるキットもあります。
・内視鏡(胃カメラ)検査の際の生検
胃の粘膜を少し採取して調べる方法です。
こんな症状があったら要注意!軽い慢性胃炎のサインとセルフチェック📝✅
慢性胃炎は、症状がゆっくり進むため気づきにくいのが特徴です。
初期の段階では、「ちょっと胃の調子が悪いだけかな?」と思うような症状が多いです。
■ 軽い慢性胃炎でよくある症状
・食後に胃が重く感じる(胃もたれ)
・胃がムカムカする(軽い吐き気)
・お腹が空いているのに食欲がわかない
・胃がチクチクするような不快感がある
・げっぷがよく出る
・朝起きた時に胃がスッキリしていない
・コーヒーやアルコールで胃が痛くなる
「これくらい大丈夫」と思いがちですが、これが続く場合は体からのSOSです。
放っておくと、症状が慢性化してしまうこともあります。
■ 3分でできる!慢性胃炎セルフチェックリスト⭕❌
以下の質問にいくつ当てはまるか、チェックしてみましょう!
質問 |
YES / NO |
□ 食後によく胃が重たくなる |
|
□ 空腹時に胃がムカムカ・チクチクすることがある |
|
□ 食欲が落ちたと感じる |
|
□ コーヒーやお酒で胃がつらくなることがある |
|
□ 寝不足やストレスの多い生活が続いている |
|
□ 市販の胃薬をよく飲んでいる |
|
□ げっぷやガスがたまりやすい |
→ YESが3つ以上あれば、胃が少しお疲れ気味です。
症状が軽いうちなら、生活習慣の見直しで改善できることも多いです。
しかし、無理はせず、おかしいなと思ったら早めに専門医に相談しましょう。
自力でできる!慢性胃炎の改善方法✨
慢性胃炎は、生活習慣の見直しや食事の改善で症状を軽くすることができます。以下に、自分でできる具体的な対策を紹介します。
🍙胃にやさしい食生活に変える
まずは、刺激を与えない食事が基本になります。
✅ やるべきこと
・よく噛んで、ゆっくり食べる
・油っこいもの、辛いもの、冷たいものは控えめに
・食べすぎ・飲みすぎに注意(腹八分目)
✅胃にやさしい食べ物の例
・おかゆ、うどん、豆腐、卵スープ
・白身魚、鶏ささみなど脂肪の少ないたんぱく質
・蒸し野菜、よく煮た根菜類
🛌🏻 規則正しい生活リズムを作る
不規則な生活は胃に大きなストレスを与えます。
✅ やるべきこと
・食事の時間を毎日そろえる
・夜遅くの食事は避ける(寝る3時間前までに)
・十分な睡眠をとる
🏃🏻 ストレスを溜め込まない工夫
ストレスは胃酸の分泌を増やし、胃を刺激します。
✅ やるべきこと
・深呼吸や瞑想などでリラックス
・軽い運動(ウォーキングやストレッチ)を習慣に
・趣味の時間を大切にする
⚠️【胃が弱っているときはNG?】慢性胃炎とコーヒーの関係 ☕️💭
慢性胃炎の方にとって気になる話題、「コーヒーは飲んでも大丈夫なのか?」についてお話しします。
■ コーヒーが胃に与える影響とは?
コーヒーは、香りも味も魅力的な飲み物ですが、胃にとってはちょっと刺激の強い存在で、胃に与える主な影響は以下の通りになります。
🔸 胃酸の分泌を促す
コーヒーには、胃酸の分泌を活性化させる作用があります。
胃酸が増えすぎると、胃の粘膜を刺激し、炎症や痛みにつながることがあります。
🔸 カフェインによる刺激
カフェインは、胃だけでなく自律神経にも作用します。
そのため、ストレスが多い人や睡眠不足の方は、胃の調子がさらに悪化することもあります。
🔸 空腹時に飲むとリスク大
朝、空腹のままブラックコーヒーを飲むと、胃が直接刺激されやすくなり、胃痛やムカつきの原因になります。
■ それでも飲みたい!胃にやさしい飲み方のコツ🌟
「コーヒーを完全にやめるなんて無理…」という方へ、工夫次第で、胃にやさしく楽しむことも可能です。
✅ 胃にやさしいコーヒーの飲み方
☕ 空腹時を避ける
→ 食後30分~1時間後くらいがベストタイミングです。
☕ ミルク入りで中和する
→ カフェオレにすることで、胃への刺激が少しやわらぎます。
☕ 1日1杯までを目安に
→ 飲みすぎはNGです。体調が悪い日は、思い切ってお休みを取ってください。
☕ カフェインレスコーヒーを選ぶ
→ 最近はおいしいデカフェもたくさんあります。胃への刺激が少なく、寝る前でも安心です。
🚫こんなときは控えたほうがいいサイン
以下のような症状があるときは、一時的にコーヒーを控えるのがおすすめです。
・胃のムカムカ、キリキリとした痛みが続いている
・食後すぐに胃が重たくなる
・朝起きたときに胃がスッキリしない
・胃薬を飲む回数が増えてきた
こうしたときは、まず胃の回復を優先して、コーヒーはお休みしてみましょう。
最後に…
「慢性胃炎」と診断されても、落ち込む必要はありません。
食事や生活習慣の改善、ストレス管理など、自分でできる対策がたくさんあります。
大切なのは、小さなサインを見逃さず、体と向き合うことです。
もし不安なことがあれば、早めに医師に相談し、無理せずできることから始めてみましょう。
「なんとなく胃の調子が悪い」という小さな気づきをきっかけに、健康的な習慣を見直すことが、将来の大きな安心につながります。
当院にも、慢性胃炎・胃痛・胃の不快感・嘔気などでお悩みの患者さまも多くいらっしゃいます。診断や定期的なフォローとして必要な内視鏡検査については、全例内視鏡専門医が施行し、麻酔(鎮静剤)も使用しながら、「痛くない・辛くない」内視鏡検査をご提供できるよう、努めております。症状が改善されない方、調子が悪くご心配の方、ご不安の方はお気軽にご相談くださいませ💁♀️