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「下血」とは?🩸血便との違い・原因・受診の目安をわかりやすく解説💡


こんにちは☀️
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥

ある日、いつものようにトイレに入って、ふと便器を見たとき
「えっ、赤い…?血?🩸」
こんなふうに驚いた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか💦

普段の生活では意識しない「排便」ですが、そこに異変が起こると多くの人が強い不安を感じます。
特に、「便に血が混じっている」「トイレの水が赤く染まっている」といった状況は、見た目のインパクトも大きく、「もしかして大きな病気かも…?」と心配になるのも当然です。

このような症状を医学的には「下血(げけつ)」と呼びます。🩸
「下血」という言葉を聞いたことがあっても、正確な意味や、どのような状態を指すのか、詳しくご存じない方も多いのではないでしょうか?🤔

また、「痔だと思って放っておいたら、実は大腸の病気だった…」というケースも、実際に少なくありません。日々さまざまな「下血」の症状で来院される患者さまと向き合っていますが、共通しているのは、「もっと早く相談していればよかった…」というお声です。😟💭

このブログでは、「下血とは何か?」を

・「下血」とは?
・「下血」と「血便」の違いは?
・下血の色で出血場所がわかる?
・下血の主な原因
・こんな症状があるときは、すぐ受診を!
・検査方法について(内視鏡検査)
・検査で分かること/できること
・おわりに

の流れで、わかりやすくまとめてみました🔍

「こんな症状、大丈夫かな?」と少しでも気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてください✨
正しい知識を持つことで、不安が安心に変わることもあります。

🔹「下血」とは?
「下血」とは、肛門から血が出ること、つまり便と一緒に血が出る状態のことを指します。多くの場合、血が便に混じっていたり、トイレの水が赤くなったりすることで気づきます。🚽🩸下血には、見た目や原因によっていくつかの種類があります。

🔹「下血」と「血便」の違いは?
「下血」と「血便」、どちらも“便に血が混じる症状”ですが、実は意味や使い方に少し違いがあります。
普段はあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、病気を正しく理解するためにも知っておくと安心です👂

🔹まず「血便(けつべん)」とは?
血便は、便に血が混じっている状態の総称です。
便の中に赤い血が混じっていたり、便の表面に付着していたり、トイレットペーパーに血がついている場合も含まれます。

血便の特徴
・血の色や量はさまざま(赤い・黒い・少量・大量など)
・原因は消化管のどこか(胃〜大腸まで)からの出血
・「症状の名前」なので、原因は特定されていない状態
つまり、「血便」はあくまで“症状”であり、「便に血が出た=血便」だと思って大丈夫です☝🏻

🔹「下血(げけつ)」とは?
下血は、消化管からの出血が、肛門から出てきた状態を医学的に指す言葉です。

✅ 下血の特徴
・医学的には「消化管出血」が肛門から出た状態のこと
・便の色で「出血場所の見当がつく」のが特徴
・「血便」とは異なり、ある程度“出血の状態”を表す医学用語

🔹下血の色で出血場所がわかる?
下血の血の色によって、出血している場所の目安をつけることができます🔍

血の色

可能性がある出血場所

特徴

鮮やかな赤(鮮血)

肛門、直腸、S状結腸など

出口に近い場所からの出血。
いぼ痔や切れ痔のことも。

暗い赤〜黒に近い(暗赤色)

結腸〜小腸

消化の途中で変色。
ポリープやがんなどの可能性も。

黒色(タール便)

胃・十二指腸

血液が胃酸で消化され黒くなる。
胃潰瘍やがんなどの可能性も。

ただし、色だけで自己判断するのは危険です。必ず医療機関での検査が必要です🏥

🔹下血の主な原因
下血には、軽いものから命にかかわる重い病気まで、さまざまな原因があります。

1. よくある原因「痔」
まず最もよく見られるのが、いわゆる痔です。

・トイレットペーパーに血がつく
・便器の水が赤くなる
・排便時にチクッと痛む

こんな症状がある場合、痔が原因のことが多いです。「恥ずかしくて病院に行けない」と我慢している方も多いのですが、市販薬では治らないケースもあるため、まずは気軽に相談してみてください👩‍⚕️🩺

2. じつは注意が必要「大腸ポリープ」や「大腸がん」
「血が出ているけど、痛みがないから放っておいた」これは一番危険なパターンです⚠
痛みがない下血の中には、大腸ポリープや大腸がんが隠れていることがあります。

・便の色が赤黒くなってきた
・下痢や便秘を繰り返すようになった
・なんとなくお腹がすっきりしない
・家族に大腸がんの方がいる

こうしたサインがある場合は、一度、大腸カメラで確認しておくことをおすすめします。
ポリープはその場で切除できますし、早期がんなら治療もスムーズです👨‍⚕️🏥

3. 若い世代にも多い「腸の炎症」
最近増えているのが、潰瘍性大腸炎やクローン病といった腸の慢性的な炎症による下血です。

・10代〜30代の方にも多い
・お腹が痛い
・下痢が続く
・血や粘液のような便が出る

このような症状がある場合、「ちょっとお腹の調子が悪いだけ」と思わずに、早めの受診が大切です。
これらは早期診断と継続的な治療が重要な病気です🏥

4. 急な腹痛+血便?それ、腸の血流が原因かも!
中高年の方に多いのが、虚血性腸炎(きょけつせいちょうえん)です。

・急にお腹が痛くなって、すぐに血便が出た🩸
・お腹がキリキリしてトイレに駆け込んだ🚽
・赤黒い血便が出て驚いた

このような場合、腸の血流が一時的に悪くなって出血するケースがあります。
多くは自然に回復しますが、再発を繰り返す場合や、大量出血になることもあるため注意が必要です。

5. 黒い便が出たら「胃や十二指腸」からの出血かも・・・
「血」と言っても、赤いとは限りません。
真っ黒いベタッとした便(タール便)が出る場合、それは胃や十二指腸など上の方の出血の可能性があります。

・胃潰瘍や十二指腸潰瘍
・ピロリ菌感染
・痛み止めの副作用
・胃がんなど

胃からの出血は、時間が経つと血液が消化されて黒くなります。
こうした場合は、胃カメラ検査で原因をしっかり調べる必要があります🔍

6. その他にも、こんな原因が
あまり多くはありませんが、下血には以下のような原因もあります🚨

・感染性腸炎:ウイルスや細菌による腸の炎症。発熱や下痢を伴います
・薬の副作用:特に抗凝固薬や痛み止めの長期服用に注意
・血液の病気:血が止まりにくくなる病気で出血しやすくなることも
・消化管憩室出血:腸の壁にできた小さな袋からの突然の出血

いずれも、自己判断は難しく、きちんと検査を受けることが早道です👨‍⚕️

🔹こんな症状があるときは、すぐ受診を!!
下記のような症状がある場合は、なるべく早めの受診をおすすめします。

・便に血が混じる、または拭いた紙に血がつく
・下痢や腹痛を伴う出血
・繰り返し下血がある
・便が黒っぽい・タール状
・貧血や息切れ、動悸などの症状がある

特に、痛みがない下血は見逃しやすく、大腸がんなどの重い病気のサインであることもあります。
そのため、定期的な検査が大切です💡

⚠「自分は大丈夫」と思っている方ほど注意が必要です!

下血というと、「痔でしょ?」「一回だけだったから大丈夫」と軽く見られがちですが、
“痔と思っていたら、がんだった”というケースも実際にあります😣💦

特に、痛みがない場合は自覚症状が少ないため、発見が遅れやすいのです。

下血があったら、恥ずかしがらずに相談してください。
たとえ痔でも、それがわかれば安心できます🙆‍♀️
もし何か見つかっても、早期なら十分に治療できる時代です。

🔹検査方法について(内視鏡検査)
✅大腸カメラ(下部消化管内視鏡)
【対象範囲】:肛門〜直腸〜結腸〜盲腸(大腸全体)

こんなときに行います!
・鮮血(赤い血)が出た
・便に血が混じっている
・痔かポリープか分からない
・貧血がある

検査方法🔍️
・検査前日に下剤を飲んで腸の中をきれいにします。
・当日は肛門から内視鏡を挿入し、大腸の中をくまなく観察します。
・必要に応じて、その場でポリープの切除や組織の一部を採取(生検)することもできます。

✅胃カメラ(上部消化管内視鏡)
【対象範囲】:食道〜胃〜十二指腸

こんなときに行います!
・黒い便(タール便)が出た
・吐き気や胃の痛みがある
・胃潰瘍や胃がんが心配
・出血源が大腸ではなかったとき

検査方法🔍️
・口、または鼻から内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸を直接観察します。
・出血が見つかれば、止血処置や組織検査もその場で行えます。

🔹検査で分かること/できること
内視鏡検査は、見て終わりではありません。

大腸ポリープの切除(その場で対応可能なことが多い)
出血箇所の止血処置(クリップや薬剤の使用)
組織検査(生検)でがんの早期発見
感染症や炎症、潰瘍の診断
画像で確認しながら説明を受けられる(ご希望の方)

つまり、診断から処置までがその場で完結するのが大きなメリットです✨
そのため、「とりあえず内視鏡検査を受けておけば安心」という方も多いです。

🔹おわりに ~不安なまま過ごさず、「安心のための一歩」を~
「下血」と聞くと、怖い、心配、恥ずかしい…そんな気持ちが自然と湧いてくるかもしれません。
特に、お尻や排便のことは人に話しにくく、つい放っておいてしまう方も多くいらっしゃいます🌀
ですが、大切なのは「いつから・どんな血が・どのくらい出たか」を気づいたタイミングで受診し、原因をしっかりと調べることです🏥👨‍⚕️

実際、当院に来られる多くの患者さんが、「もっと早く来ればよかった」とおっしゃいます。
痔であれば、すぐに治療できることが多いですし、ポリープやがんが見つかった場合でも、早期であればあるほど、治療の選択肢も広く、回復も早くなります🙂‍↕️

内視鏡検査というと「怖そう」「痛そう」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、当院では鎮静剤を使用した、眠っている間に終わる内視鏡検査も可能です。「気がついたら終わっていた」「想像よりずっと楽だった」というお声をたくさんいただいています🤗

下血は、あなたの体が「何かおかしいよ」と教えてくれている大事なメッセージかもしれません。
身体からのサインを見逃さず、ご不安があればお気軽に当院にご相談くださいませ🩺

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