- 大腸カメラ検査について
- 当院の大腸カメラの特徴
- 便潜血陽性と指摘された方へ
- 腹痛や強い便意は炎症性腸疾患や過敏性腸症候群の可能性も
- 以下のような症状がある方は大腸カメラ検査が推奨されます
- 大腸カメラ検査で診断可能な主な疾患
- 大腸カメラ検査前の注意点
- 大腸カメラ検査の流れ
- 大腸カメラ検査後の注意点
大腸カメラ検査について
大腸カメラ検査とは
大腸カメラ検査は、肛門から内視鏡を挿入して、直腸から盲腸までの大腸全域と小腸の出口の一部を観察する検査です。
カメラの先端に搭載された超小型レンズで腸管内を詳細に観察し、炎症、ポリープ、潰瘍、がんなどの病変を調べます。
バリウム検査や大腸CT検査では検出が難しい小さなポリープや初期の炎症性変化も発見できることが、大腸カメラの大きな利点です。
また、疑わしい病変が見つかった場合には、その場で組織の一部を採取して病理(組織)検査を行ったり、小さなポリープや早期のがんであれば、同時に内視鏡治療を行うことも可能です。
なお、検査に先立ち、腸内をきれいな状態にしておく必要があるため、下剤を飲んで頂きます。服薬方法や食事の注意点については、事前に外来で丁寧にご説明いたします。
大腸カメラ検査にかかる費用の目安(自己負担3割の場合)
| 検査内容 | 費用の目安 |
| 大腸カメラ検査のみ | 約6,000円 |
|---|---|
| 大腸カメラ+生検(組織の採取) | 約12,000-16500円 |
| 日帰り大腸ポリープ切除(病理検査含む) | 約20,000~40,000円 |
※上記は3割負担の検査料金であり、初診料やお薬代は含まれていません。
※実際の費用は、検査内容や治療の有無、個々の病状などによって変動する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
当院の大腸カメラの特徴
特徴①経験豊富な専門医が高度な挿入技術(軸保持短縮法・水浸法)で精度の高い安心安全な内視鏡検査を行っています。
スキルに長けた内視鏡専門医が全検査を担当
当院では、高度医療機関で長く内視鏡検査・治療の実績を積み上げてきた専門医が、内視鏡検査を担当しています。最新の内視鏡システムを駆使するのはもちろん、高いスキルと深い知識、豊富な経験を活かすことで、高水準な検査を行っています。患者様に負担をかけさせない検査を提供して参りますので、「大腸カメラ検査って苦手だな……」と思う方も、ぜひお気軽にご相談ください。
特徴②麻酔(鎮静剤)を使用した楽に受けられる大腸カメラ検査
大腸は構造上、曲がりくねった形をしているため、内視鏡を肛門から挿入する際には、腹部の張りや痛みを感じる方がいらっしゃいます。
当院では、一般的な内視鏡(約13mm)よりも細い直径11.8mmのスコープを採用し、内視鏡検査に熟練した医師が担当することで、検査中の不快感をできる限り軽減できるよう努めています。
さらに、ご希望の方には鎮静剤(静脈麻酔)を使用し、完全に眠った状態で検査を実施いたします。眠っている間に検査が終了するため、「いつ始まり、いつ終わったのか分からなかった」と感じられるほど、苦痛の少ない検査が可能です。
大腸の最深部である盲腸まで内視鏡が到達すれば、それ以降はほとんど痛みを感じることはありません。到達までにかかる時間は個人差がありますが、当院の院長の検査では多くの方が2〜5分程度で完了しています。ただし、腸の癒着が強い方や、腸が過度に伸びやすい方の場合は、10分前後かかることもあります。
特徴③負担の少ない腸管洗浄剤(前処置薬)での大腸カメラのご提案
大腸カメラ検査を受けられた方の中で、前処置の腸管洗浄剤がきつい、まずいと言われる方は多いのではないでしょうか。
当院では実際に、医師やスタッフが試飲を行い、患者様目線で腸管洗浄剤(前処置役)を選択しております。ご要望や症状に応じて負担の少ない下剤の選択ができます。
比較的飲みやすい味のマグコロールとピコプレップという下剤を導入しており、特に、ピコプレップは、通常の下剤と比較して洗浄力は落ちますが、非常に飲みやすく、下剤の飲む量がコップ2杯程度(水は別途飲んでいただきます)で済むため負担軽減につながります。
特徴④飲みやすい下剤のご用意
当院ではスポーツドリンクを薄めたような味のマグコロールP、オレンジジュース風味のピコプレップをご用意しております。こちらは初めての方でも飲みやすいとご好評いただいているが剤になります。ご自宅で落ち着いた状態で服用いただけます。
特徴⑤検査中に発見した大腸ポリープは切除することも可能
大腸がんの多くは、長く放っておかれた大腸ポリープから移行しているものです。そのため前がん病変の大腸ポリープを切除することは、将来の大腸がんを予防するのに極めて有効な方法だと言えます。
当院では、大腸カメラ検査中に発見された大腸ポリープは、その場で切除する日帰り手術を行っています。大腸カメラ検査を一回受けるだけで、検査から治療、予防まで全て完結できるようにしています。またポリープの切除は「日帰り手術」で行いますので、入院する必要はありません。切除後でもすぐにご帰宅いただけます。
(※ポリープが大きい場合や、数が多い場合には高次医療機関へご紹介させていただきます)
大腸ポリープには、主に以下の2種類があります。
- 腺腫性ポリープ:将来的にがん化する可能性があり、切除が必要
- 過形成性ポリープ:がん化のリスクが低く、特に体の左側の過形成性ポリープは基本的に治療不要
ポリープがどちらのタイプかを事前に見極め、必要なものだけを適切に切除する方針を取っています。
この診断において極めて有用なのが、BLI(狭帯域光観察)です。粘膜や血管の構造を強調して映し出すことで、ポリープの性質を高精度に判別でき、さらに早期がんかどうかの見極めにも役立ちます。
拡大内視鏡を導入し高い精度での検査が可能
近接1.5㎜からの観察可能なレンズを採用し、光学拡大倍率約145倍まで拡大観察できます。粘膜表層の微細な構造や微小病変の早期発見・観察を行えます。
大型ハイビジョンモニターによる観察
スコープに付いているカメラで捉えた画像を、大型ハイビジョンに映し出して観察することも可能です。疑わしい病変部位を拡大表示し、鮮明な画像を映し出すことで、診断がスムーズに行いやすくなります。映り込みや反射も少なく済むため、短時間でかつ高精度の検査を行うことができます。
特徴⑥最新の内視鏡システム・4kディスプレイ導入
富士フイルム社による高度な画像処理技術により、粘膜表層の微細な血管や粘膜の微細な構造などを強調して表示する機能「BLI」や、画像の赤色領域のわずかな色の違いを強調して表示する機能「LCI」により、炎症の診断や早期がんに特徴的な微小な病変の観察をサポートします。
特徴⑦炭酸ガスによる腹部の負担軽減
大腸カメラ検査では、腸内を膨らませて観察しやすくするため、従来は空気を注入していました。しかし、空気は腸内に長く留まりやすく、検査後にお腹の張りや痛み、ガスの排出による不快感を引き起こす原因になります。
当院ではこの空気の代わりに、「炭酸ガス」を使用しています。炭酸ガスは腸から素早く吸収され、呼気として自然に体外に排出されるため、検査後の膨満感や腹痛を大幅に軽減できます。
なお、炭酸ガスの使用に伴う追加費用は一切かかりません。当院では、検査後も快適にお過ごし頂けるよう、安全性と患者様の負担軽減に配慮した検査体制を整えております。
特徴⑧AI技術を活用して大腸ポリープ等の病変のリアルタイム検出・鑑別を支援
ポリープ発見・検出において、非常に有効なAI技術と考えており導入しております。
大腸カメラ検査におけるポリープなどの病変の検出およびポリープのタイプ(腫瘍性、非腫瘍性)の鑑別を支援するAI内視鏡診断支援機能「CAD EYE™(キャド アイ)」を導入しました。
「CAD EYE」は、BLIやLCIといった画像処理技術を基に培ったAI技術を活用して、大腸ポリープなどの病変の検出および鑑別をサポートする内視鏡診断支援機能です。専門医とAIのダブルチェックにより高い精度の内視鏡検査が実現します。
特徴⑨土日診療・検査対応しています
平日は家事や仕事でなかなか時間がとれないという方でも検査が受けられるように土曜・日曜も検査を行っております。お気軽にご相談ください。
特徴⑩胃カメラと大腸カメラの同日検査が可能
スケジュールを確保するのが難しい方でも検査を受けられるよう、当院では、1日で胃カメラ検査と大腸カメラ検査が受けられる「同日検査」を実施しています。
事前の食事制限や洗浄液の服用といった準備も一回だけで済むため、多忙な方でも無理なく検査を受けていただけます。
特徴⑪リカバリースペースの完備
内視鏡検査で鎮静剤を使用された方は、検査終了後麻酔の効果が切れるまでリカバリースペースでお休みいただけます。当院では検査後患者様は起き上がっていただく事なく、お運びします。
便潜血陽性と指摘された方へ
大腸がんは、進行すると腹痛や下痢・便秘などの症状が起こることがありますが、初期の段階では多くの場合、自覚症状がありません。これは胃がんと同様です。
健康診断で「便潜血陽性」と指摘された場合は、たとえ1回でも陽性であれば約2〜5%(20〜50人に1人)の確率で大腸がんが見つかると言われています。2回連続で陽性だった場合は、がんの発見率はさらに高く、約10%に達します。
そのため、便潜血が陽性であった方には、できるだけ早く大腸カメラ検査を受けて頂くことをお勧めします。
特に海外の研究では、便潜血陽性から半年以上経過して検査を受けた場合、がんが進行してしまい予後が悪化する可能性があることも報告されています。
また、大腸がんはポリープの段階で切除することで予防が可能な疾患です。しかし、便潜血検査では、ポリープを見つけることができません。
大腸カメラ検査を実施した結果、がんはなかったとしても、偶然にポリープが見つかるケースは多く、便潜血陽性者が検査を受ける意義は非常に大きいと言えます。
腹痛や強い便意は炎症性腸疾患や
過敏性腸症候群の可能性も
繰り返す下痢、腹痛、血便は大腸がんの他に、潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患や過敏性腸症候群の可能性があります。
これらはいずれも消化器の専門的な知識がなければ診断が難しい疾患です。
炎症性腸疾患は、大腸カメラ検査による特徴的な所見と、生検(組織検査)の結果を組み合わせて診断を行います。
過敏性腸症候群は、大腸カメラ検査により、潰瘍や炎症といった他の疾患を除外したうえで診断されます。
いずれの疾患も、日常生活に支障をきたす疾患ですが、適切な治療を行えば多くの方が症状の改善・安定を図ることができます。
特に炎症性腸疾患は早期発見治療が必要であり、腹痛や便通異常、血便でお困りの方は、どうか我慢せず、早めにご相談ください。
以下のような症状がある方は
大腸カメラ検査が推奨されます
- 血便がある
- 痔があり出血の区別がつかない
- 便秘や下痢などの便通異常が続いている
- 腹痛やお腹の張り(膨満感)を感じる
- 健康診断などで貧血を指摘された
- 短期間で体重が大きく減少した
- 便潜血検査で「陽性」の結果が出た
- 過去に大腸ポリープや大腸がんの治療を受けたことがある
大腸カメラ検査で
診断可能な主な疾患
大腸カメラ検査前の注意点
検査前日(マグコロールPの場合)
- 検査の3日前から、繊維質の多い食品(ひじき・わかめ・こんにゃく・きのこ類)、種の多い果物(イチゴ・キウイなど)は控えてください(詳細は外来で個別にご説明いたします)。
- 前日は、消化の良いものを選び、午後9時頃までに軽めに済ませてください。もしくは検査食を購入いただき、食べていただきます。
- よる9時以降は絶食です。
- できるだけ早めに就寝し、翌日に備えましょう。
検査当日
- 当日は、水かお茶のみ摂取可能です。それ以外の飲食はお控えください。
- 現在服用中のお薬は、指示通りに内服してください。自己休薬はせず、必ず医師または看護師にご確認ください。
- 緊張を和らげるため、動きやすい服装でご来院ください。
- 麻酔(鎮静剤)の使用を希望される方は、当日の自転車・自動車の運転をお控えください。
- ネイル・口紅はご遠慮いただき、長い髪は束ね、貴金属は外してご来院ください。
- 貴金属類や貴重品はできる限り、外してご来院ください。
重要
- 妊娠の可能性がある患者様は、内視鏡検査できません。
- 授乳中の患者様は、断乳していただくか、麻酔なしでの施行となります。
大腸カメラ検査の流れ
1検査前日~当日
下剤による腸管洗浄
検査前には、大腸内を完全にきれいにする必要があります。そのため、1〜2L程度の腸管洗浄剤(前処置薬)を数回に分けて服用して頂きます。当院では、ご自宅での服用を基本としております。院内個室での服用を希望の方は、「立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニック」のご予約をお取りください。自宅服用ですと、慣れた環境で落ち着いて準備でき、家事や仕事をすることもできます。腸管洗浄剤は服用後2時間程度で落ち着いてきますので、電車での来院でも多くの場合大丈夫です。
当院では、患者様に配慮し味がよく飲みやすいタイプもご用意しております。
選べる下剤の種類(3種類)
マグコロールP
- 約2時間かけて1.8Lをゆっくり服用します。
- 服用前後、飲水も適宜します。
- ポカリスエットのような優しい飲み味です。
- 腎障害、透析患者様は服用できません。
ピコプレップ
- 現在発売されいるなかで、最も飲みやすい腸管洗浄剤です。
- 前日の夕食(午後6時頃まで)を終えた1時間以上後に、ピコプレップをコップ1杯服用します。
- 続けて透明な飲料(水・お茶など)を5杯(約1,250mL)以上、2時間程度かけて飲みます。
- 検査当日は、検査の4時間前までに再度ピコプレップをコップ1杯服用します。
- さらに750mL程度の水分を1〜2時間かけて摂取します。
- 腸管洗浄力はモビプレップに劣るものの、服用量が少なく、味もオレンジジュース風で飲みやすいのが特徴です。
- 腎障害、透析患者様は服用できません。
ニフレック
- 腎障害、腎不全患者様の腸管洗浄剤です。
- 風味は少し独特ですが、腎障害や腎不全患者様においても使用できます。
- 洗浄力はマグコロールPなどよりも高いとされます。
2検査当日
検査前
- ご来院前に、以下のものは外してお越しください。
(指輪・ネックレス・ピアス・ヘアピン・つけ爪・マニキュア・金具付き下着など。)
- 検査前に更衣室で検査着へお着替え頂きます。
- 鎮静剤の使用を希望される方は、あらかじめ点滴を準備いたします。
検査
- ベッドで左側を下にして横になって頂き、肛門から内視鏡を挿入して検査を進めます。
- 鎮静剤をご希望の方には、事前に注射を行います。
- 医師が盲腸から直腸まで、大腸全体を丁寧に観察します。
- 盲腸までの到達時間は通常2〜5分程度です。
- 必要に応じて、生検(組織採取)やポリープ切除もその場で行います。
検査後
- 観察を終えたら内視鏡を抜き、検査は終了です。
- 検査当日に、結果説明と診察を行います。
- 鎮静剤を使用された場合、目が覚めるまで休憩して院内で頂いてから診察を行います。
大腸カメラ検査後の注意点
大腸カメラ検査のみの場合(ポリープ切除なしの場合)
- 検査後すぐに飲食が可能ですが、当日は辛いもの油ものアルコールは禁止です。
- 上記以外に特に制限はありませんが、何を食べていいかわからない方は、きつねうどんやおかゆを食べましょう。
- 当日は長湯サウナは避けて普通の入浴のみに留めてください。激しい運動・作業も控えましょう。
大腸ポリープ切除した場合
- ポリープを切除した方は、1週間、辛いもの、油もの、アルコールは禁止です。
- 上記以外に特に制限はありませんが、何を食べていいかわからない方は、きつねうどんやおかゆを食べましょう。
- 1週間は長湯サウナは避けて普通の入浴のみに留めてください。激しい運動・作業も控えましょう。
- 術後当日〜10日間程度は、出血のリスクがあります。出血が見られた場合は、一旦経過観察し、量が増えたり、止まらない場合には当院までご連絡ください。
- 青い検査薬(インジゴカルミン)を使用した場合、尿や便が青くなることがあります。ご心配いりません。



