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アニサキス

アニサキス症について

アニサキス症は、アニサキスという寄生虫の幼虫が魚介類に寄生しており、それを生または加熱不十分な状態で食べることで発症する食中毒です。
近年、テレビやメディアなどで紹介される機会も増え、認知度が高まっています。
アニサキスの幼虫は、胃や腸の粘膜に侵入し、強い腹痛などを引き起こします。
特に多く見られるのが「胃アニサキス症」で、内視鏡によってアニサキスを取り除くことで、症状は急速に改善します。痛みが出た場合は、早めの受診をお勧めします。

アニサキス症を引き起こす原因

アニサキス症は、アニサキスという線虫(寄生虫)の幼虫を含む魚介類を、生または加熱不十分な状態で食べることによって引き起こされます。
アニサキスは、直接的に消化管の壁に刺さることで痛みを引き起こすのではなく、体内に侵入した際に発生する局所的なアレルギー反応が主な原因とされています。
アニサキスの幼虫は、白く太めの糸のような見た目をしており、体長は約2〜3cm、幅は0.5〜1mm程度です。
成虫はイルカやクジラ、トドといった海洋哺乳類の胃に寄生していますが、その幼虫は以下のような魚介類の内臓や筋肉に潜んでいます。

  • サバ
  • サンマ
  • サケ
  • タラ
  • ホッケ
  • メバル
  • シイラ
  • イカ

アニサキスは60℃以上での加熱、もしくは−20℃以下で24時間以上の冷凍によって死滅します。したがって、冷凍処理されていない魚を生で食べたり、加熱が不十分な状態で摂取した場合に、感染するリスクが生じます。

アニサキス症の主な症状

アニサキス症では、次のような症状が起こります。

  • 激しいみぞおちの痛み(波のように強くなったり弱まったりを繰り返す)
  • 吐き気や嘔吐
  • アレルギー反応による蕁麻疹

胃アニサキス症は、魚介類を食べてから4〜8時間以内に腹痛が起きることが多く、腸アニサキス症では数時間〜数日かけて症状が現れるとされています。軽症の場合は違和感程度で済むこともあり、また体内に入ったアニサキスは1週間ほどで自然に死滅するため、無症状のまま経過するケースもあります。

アニサキス症の検査・診断方法

強い腹痛がある場合は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの他の疾患も疑われるため、食事内容や痛みの発生タイミングなどを詳しく伺いながら診断を進めます。
胃アニサキス症が疑われる場合は、緊急で胃カメラ検査を行い、アニサキスを直接確認・除去します。
なお、当院では緊急での内視鏡検査にも対応しております。
(事前に必ずご連絡ください、可能な限り対応しますが、当日の状況によりお受けできない場合があります)

アニサキス症の治療方法

最も確実な治療は、胃カメラ検査でアニサキスの幼虫を確認し、直接摘出する方法です。
内視鏡による摘除が成功すれば、激しい痛みなどの症状はほとんどの場合、すぐに軽快します。

アニサキス症の予防方法

アニサキスは酢、塩、しょうゆ、ワサビなどでは死滅せず、60℃以上での加熱、または−20℃以下で24時間以上の冷凍を行うことで死滅します。
魚が死んだ後、内臓にいたアニサキスが筋肉へ移動することがあるため注意しましょう。

刺身や酢締めの魚を食べるときの注意点

  • できるだけ新鮮な魚を選ぶ
  • 購入後はすぐに内臓を取り除く
  • 調理時に肉眼でしっかり確認し、アニサキス幼虫を除去する

これらの対策を徹底することで、アニサキス症のリスクを大幅に下げることができます。